我那覇選手、知りませんでした。すみません!

https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2019/02/08/07_split/

この記事を読んで、サッカー日本代表に我那覇和樹という選手がいたことを思い出しました。
川崎フロンターレで大活躍をしてオシムジャパンに選出され、決定力のあるストライカーとして期待されていたんですよね。ただその絶頂期にドーピング疑惑が沸き、フロンターレからも移籍して、そのうちにその名前を聞かなくなってしまいました。
漠然とドーピングで消えちゃった人というイメージが記憶に残っていたのですが、それがまったく違う話だったんですね。

端的に言うと、我那覇選手が行ったのは、感冒の治療のための正当な治療に過ぎず、それをメディアが誤報で騒ぎ立て、Jリーグも慌てて我那覇選手を出場停止という処分を下してしまったという訳です。すぐにJリーグに所属する各チームのチームドクターたちが我那覇選手の潔白を代弁し、処分の撤回を求めましたが、当時のJリーグはこれを一切聞き入れなかったという話です。
そして驚いたのがここからですが、我那覇選手は、自らの名誉のためだけではなく、後の選手に同じようなことが起きてはいけないと、何千万もの私財を投じて(心あるサポーター等の援助もあったそうですが)スポーツ調停裁判所の訴え出で、身の潔白を証明したんですよね。

この話を知って驚いたのは、まずはイメージというものの怖さというもの。一旦、一つのイメージがラベリングしてしまうと、それが無罪であろうと何であろうと、そのイメージだけが世間の印象に残ってしまうということです。この件で言えば、新聞売りたさに根拠もない誤報を出したあるスポーツ紙のガバナンスのあり方に問題がありますが、衝撃的なスクープは大々的に報じるくせに、その結果どうなったか(特にそれが地味でもいい話の場合)、は全然伝えないメディア全体の姿勢にも問題があるし、またわたしも含めてですが、ネットの見出しだけで何となく知った気になり、色々なことを深く理解しない世間一般の見る目にも問題があると思います。

そしてもう一つこの話から感じたのは、どんなに優れた組織にも、組織や自らを守るために頑なに保守的になる輩がいるだなということです。個人的にはJリーグの持つ理念は好きです。地域に根差したチーム作りや、育成重視の姿勢などは本当に共感出来ますし、実際に日本のサッカーを世界で戦えるまでに成長させたのはすごいと思います。ただそのJリーグでさえも、本来は守るべき無実の選手に、自分たちの至らなさのすべてをおっかぶせてしまうような体質があるのだと知って正直ガッカリしました。自分たちが間違っていたことをすぐに認めればいいものを、これではリスクマネジメントが全然出来ていないと言われても過言じゃありませんね。

この話をキッカケにJリーグのドーピングコントロールのあり方がいい方に変わったというのは、良かった点ですが、それも我那覇選手が勇気をもって訴え出なければなかったかもしれない話ですからね。

我那覇選手がまだ現役で頑張っていることを知って驚きました。来期はJ3で戦うようですが、ぜひとも頑張ってほしいですね。個人的にはすごく応援したい気持ちになったので、所属先のカマタマーレ讃岐の情報をチェックしたいと思います。

月々1,000円からムリなく資産形成。口座開設はわずか8分!