日本とドイツ、働き方の差

https://toyokeizai.net/articles/-/273436

名目GDPが世界3位の日本と、世界4位のドイツ。同じような経済規模で、しかも同じような製造業を中心とした国です。ただ大きく違うのは、労働者の労働時間です。OECDによると、ドイツの労働者1人あたりの2017年の年間労働時間は、1356時間で、日本(1710時間)よりも約21%短いそうです。つまり、ドイツ人が働く時間は、日本人よりも毎年354時間短く、その上で日本と大して変わらない経済規模を誇っているということになります。しかも、人口的には、日本がだいたい1億2000万人ぐらいなのに対して、ドイツは8000万人ちょっとです。つまり、三分の二の人口で、しかも21%短い労働時間で、同じ経済規模なのです。

このことが何を意味するのかというと、単純に言えば、日本人の労働効率がいかに悪いかであり、ドイツという実際の例がある以上、働き方いかんによってはもっと日本でも効率よく出来るという可能性が大いにあるという事実です。

記事にもありますが、そもそもドイツがどうしてこんなにも短い労働時間でやりくりしているのかというと、法律で厳しく超過労働を禁じられているからです。労働者は、日に10時間以上は働けません。つまり8時間労働を基本に考えると、一日に2時間しか残業は出来ず、それ以上残業はしてしまえば、会社は罰せられ、また残業をさせた上司の評価も会社内で落ちてしまいます。
なので、そもそもドイツ人には、日本の一部のサラリーマンのように残業代で稼ごうなどという考えがほとんどなく、いかに効率的に時間内に仕事を終わらせるのかということに意識の大半が置かれているのです。

では、今後、日本人がいかに効率的に仕事をして、ドイツ人レベルの労働時間で成果を出せていけるかどうかが焦点になってきます。残念ながら、日本の会社でも、会社の規模や業種によって様々な組織や形態で事業が行われているので、何をすれば労働効率が上がるというはっきりとした特効薬はありません。
ただ、どんな仕事でも、当たり前の様にやっていながらも、実はよく考えると無駄以外の何物でもないという仕事もたくさんあるはずなので、まずはそういうものを洗い出して、必要のない業務をなくしていくこと、それにどうしても日本の会社の場合、トップダウン方式が当たり前で、そのための忖度のためにいらない会議やら何やらも多いと思うので、そういうものをなくしていく努力も必要なのだと思います。

労働時間が減れば、余った時間を、自分を豊かにするために色々なことに使えます。残業代が稼げずにお金がなければ何も出来ないじゃないかという人もたくさんいるかもしれませんが、お金がなくても、自分を高めることなど考えようになってはいくらでも出来るのです。自分の人生をいかに豊かなものにするのかは、いかに自分のための時間を作れ、いかに自分が好きなものや興味があることにその時間を使えるのか。それに、家族をはじめとする自分以外の人のためにその時間を使えるかです。
たくさん働くことは、必要かもしれないし、仕方がないことなのかもしれません。でも、しなくてもいい労働はしないほうが、そして社会としてそれが当たり前の世界である方が、人が人として生きるために大きな幸せをたくさんの人にもたらすに違いないでしょう。

まずは、働くということの意味や自分自身というものをもう一度考え、会社とってと、自分にとっての必要なものとそうじゃないものを見極めること。そして、そのことについて一緒に働いている人とよくコミュニケーションをとって実践していくことが大事ですね。