企業が本気で働き方改革を進められない理由

https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/6273

ネスレ日本のインタビュー記事ですが、なぜ日本で働き方改革が進まないのか、それがよく説明された話でした。
記事の中で面白いなと思ったのは、働き方には、新興国モデルと先進国モデルの二つがあるということ。新興国モデルとは、従業員を低賃金で長時間働かせることを前提として、海外で生まれた新たな商品を改良し、それを大量に生産し、安く販売するビジネスモデルのことだそうです。日本の高度経済成長は、まさにこの新興国モデルによって成し遂げられたという話で、そのスタイルがそのまま変えられずに来てしまっているということです。そりゃ、賃金が高くなり、人口減で若い働き手も減ったわけですから、このモデルのままでは、中国や東南アジアなどの新興国に勝てなくなるのは当たり前です。
そこで、イノベーションを起こして自らの発想力で稼ぎ出す先進国モデルへと脱皮しなければならなくなったのですが、それが全然進んでいない。
その理由としては、日本の多くの企業の場合、サラリーマンがそのまま出世して順繰りに社長になっているため、その短い任期の間に、晩節を汚しかねないような改革を本気でやろうとしないから、だそうですが、確かに日本的な話で、何となく納得出来ますね。
働き方改革と言っても、単に法律で決まったから、やれ残業をしないようにしろとトップダウンで現場に押し付けたところで、それでは本当に何も変わりません。
経営トップこそが自ら動いて、従業員がいかに長時間労働をすることなくイノベーションを起こせるような環境を作ろうという意志を行動を移さない限り何かが変わるはずがないんですよね。

確かに長時間ダラダラと仕事をしていたところで、アイデアを考える時間も精神的な余裕もなければ、イノベーションなど程遠く、とにかく目の前の作業に没頭し、それが当たり前となっていく悪循環のサイクルに陥っていくしかありません。
働き方改革を一つの契機として、従業員もですが、まずは経営者に今、この時代に何をするべきなのか、自分自身の保身に走らずに考えてほしいですね。