ファンドレイジング戦略③ ~どうマネジメントをするか?~

ファンドレイジングを組織として行う際に大事なのは、特定の人だけが頑張ってやるのではなく、あくまで組織として行うという点です。
ここでは理事会やボランティアの役割、それにスタッフがそれぞれ具体的にどのようなスキルを磨けばいいのかを検討したいと思います。

1.理事会の役割

それぞれの非営利団体において、理事会を構成する理事には様々な人がいると思います。積極的に運営に関わろうとして行き過ぎてしまう人や、逆に名前を貸しているだけで、何もしない人もいるでしょう。
ただこれからファンドレイジングをしていく団体にとっては、ファンドレイジングに対して能動的に動いてくれる理事というのが理想です。

では、理事に能動的にファンドレイジングに動いてもらうには、どうすればいいのでしょうか? まず可能であるならば、そもそも理事会のメンバーを数年かけて改編するというが一つの手でしょう。ファンドレイジングを行っていく上で、それを理解した人を選んでいくのは当たり前ですが、出来る限り年齢や性別、またその人自身の背景などを偏ったものにせず、多様性のあるメンバーにした方が、活発な意見の交換が望め、またそれぞれの人脈や能力を活用できると思うので、より好ましいと思います。

次に大事なのは、理事のするべきことを最初から明文化しておくことです。当然ながら、理事には団体の目的への理解や協調性がある人物でなければいけません。そのことを踏まえた上で、何をどこまで担ってもらうか、出来れば業務ごとの担当理事などを設けるような形で、それぞれの役割をハッキリとさせておく方がよりやりやすくなると思います。

2.ボランティアの役割

ボランティアは、そもそも団体の活動に共感してくれた良き理解者であり、また新たなボランティアや寄付者を連れてきてくれる人材です。
ただいくら団体に共感してくれているからといって、都合よくその労働力だけを搾取してしまうような形になってしまうのは良くありません。

団体が今後ファンドレイジングを積極的に行って行くのだとしたら、スタミナだけでなく、こうしたボランティアの人たちにも、ただ手伝ってもらうだけでなく、その方向性や具体的に何をどうすればいいのかをキチンと説明する必要があると思います。
ボランティアの中には、特別なスキルを持った人や、色々な人脈を持った人たちがいます。こうした人たちを上手く巻き込んでいくためにも、団体に携わってくれる人たちには積極的に、かつ分かりやすくコミュニケーションをとる必要があると思います。

ボランティアの人たちがただ仕事を手伝っているだけでなく、社会に貢献していると実感出来たり、そのコミュニティにいること自体を楽しんだり出来ると、その団体の活動もより活発になります。
運営側としては、ボランティアの人たちに気持ちよく働いてもらうように取り計らう一方で、感謝の気持ちを常に伝えていくことが何よりも大事です。

3.ファンドレイジングに求められる個人のスキル

ファンドレイジングを行うスタッフには、どのようなスキルがあるのが望ましいのでしょうか? 日本ファンドレイジング協会によると、重要なのは、以下の二つの要素だということです。

・対人コミュニケーション力
・マネジメント・コーディネーション力

どちらもビジネスをする上で必要な要素だと思いますが、ファンドレイジングをする上では、より話している相手に安心感や共感を持ってもらうような語りかけを心掛けるというのが肝要ですね。
また色々な人のやる気を引き出していくためにも、実務能力だけでなく、協調性や人を巻き込んでいく力が必要です。

実際、自分はそうしているつもりであっても、思ったほど効果が上がらないこともあるでしょう。また性格上の問題で、人によってはなかなかすぐに身に着くものではないのかもしれません。
ただそれを意識するだけでもだいぶ違うと思うので、団体としてファンドレイジングを行っていくことを決めたならば、まずはこうした認識をお互いに持ち合うことから始めるといいかもしれませんね。

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