性犯罪を犯す前に治療を

「自分が怖くなった」性依存症の苦悩…犯罪減へ全国初の試み

福岡県が性暴力の加害者や自身の性的な問題行動で悩む人を対象とする「性暴力加害者相談窓口」を開設したそうです。性犯罪で刑事処分を受けた人の相談窓口は大阪府にもあるようですが、犯罪の有無にかかわらず相談に応じるのは全国で初めてだそうです。
これはとても大事な取り組みですね。
日本にはとにかくこの手の人に手を差し伸べる機関が無さ過ぎるんですよね。

性犯罪者が現れるとみんな怒って、とにかく厳罰をしろ!と言います。
気持ちはわかります。わたしだって怒りますから。
でも、性犯罪者に厳罰を課したところで、出てきても大抵は同じことを繰り返してしまうことはもうわかっているんですよね。
そうしないためには、極端な話死刑にするか去勢するしかないんです。
でも、これは現実的な話じゃありません。そんなことをすれば、今度は人権問題が持ち上がってしまいますからね。

そうすると、答えは一つしかないです。とにかく性犯罪者や性犯罪予備軍を治療していくしかないんです。
そのために、それが出来る機関を増やしていくしかないんですよね。

そして今回、重要なのは犯罪を犯した人間だけを対象にするのではなく、すでに自覚症状があり、このままではまずいかもと思っている人までも対象としていることです。
ここは大事なポイントです。
なぜなら、多くの人は性犯罪者には激怒するくせに、性教育には性治療にはまったく関心がないですからね。
一番いいのは、性犯罪者をそもそも作らないことなんです。
それはこうした依存症を治療することであったり、もっと子供の段階、それこそ小学1年生くらいの段階から、性教育をしていき、世の中の意識を変えていくことなんですよね。
今だにセクハラやジェンダー差別が当たり前の世の中じゃ、性犯罪者が増えるに決まっていますからね。
性犯罪者だけに個別の責任を問うて断罪するのではなく、社会そのものがなぜ彼らが生まれるのかしっかりと考えて、認識を変えていきそのための取組をみんなでしていかなければいけません。
そういう意味では、この福岡県の全国に先駆けての取り組みは本当にとても素晴らしいです。

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