NHKが管理職の約3割を削減のインパクト。改革を始めたNHKに民間企業も続くべき。

NHK、50~56歳対象に早期退職募集へ 管理職3割減などスリム化、人件費抑制

NHKが管理職を約三割削減するそうです。
職員約1万人の37%を占める管理職を25%に減らし、よりフラットな組織を目指すそうです。受信料の値下げや世帯数の減少で長期的な収入減が見込まれるなかで、子育てや介護で転勤が難しい職員が増えていることなどに対応する意味での決断ということですが、これは正しいやり方だと思います。

そもそも役職をチラつかせて、転勤や長時間労働を当たり前としている風土そのものがおかしいんです。
子育て、介護など、社員のライフステージに対して会社が対応するのは当たり前ですし、もっといえば、子育てや介護で時短等になっていたとしても、それが解消されれば、その人が優秀であるならば役職につけるべきなんです。どれだけ会社に対して無理をしてきたかは、金額等に反映されるべきであり、役職等に人事面で反映させてはいけません。あくまでその人が優秀であるかどうかで判断した方が組織としても絶対にプラスに働くわけですからね。

またバブル経済期に大量採用した現在の管理職には、年齢に応じた役職定年を設け、早期退職も促すそうですが、これもまた正しい措置だと思います。
そもそも生まれた年代によって享受出来るものの落差が激しくあること自体が間違いなんです。
役職定年は年功序列を打破するためにも、NHKにとどまらず、どんどんと他の民間企業も続けていってほしいですね。

明らかにこれから伸びていくなり、生き残っていくなりする会社に必要なのは、いかに多様性が担保出来るかです。
そしてその多様な考え方を持つ人たちをいかにうまく使いこなせるかで今後の企業の命運は変わってくると思います。それにはまず年功序列をやめなくてはいけません。
出来る限り無駄な役職やピラミッド型の慣習を捨てて、組織図をフラットにすることが必至です。
誰でもが自由に発言が出来る。また社員も自分のライフステージに合わせて、柔軟に会社との関係を変えることが出来る。
こうした環境を整えて、初めて少子高齢化の中で、優秀な人材を獲得し、彼らに長くいてもらえるわけですし、彼らを活かすことも出来るのです。

もう会社なんだから我慢しろという考えは、ナンセンスですし、役職などで承認欲を満たすというのも古い人間の考えです。
大事なのは、老若男女ともにいかに強調し合えるかで、その中で利益を追求するだけでなく、社会的インパクトを残せるかどうかなんですから。

N国党の登場以来、とにかくNHKを叩きたがる人が増えてきましたが、NHKは少しずつでも変化を起こそうとしています。散々人には文句を言っておいて、自分たちは旧態依然のままに既得権を貪るというのはナシです。今日本の社会で足枷になっているのは、間違いなく柔軟性を欠いた縦社会のマッチョなシステムです。NHKを皮切りにどんどんと変わっていってほしいですね。

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