なぜ女子ソフトボールは、見ていて気持ちがいいまでに感動が出来るのか。

いやあ、ソフトボール金メダル本当に感動しました。
実は、わたし、オリンピックにおいてソフトボール見るの大好きなんですよね。
思い返せば、上野さんが若手の頃からずっと追いかけていました気がします。

何でしょう。
女子ソフトボールって、物語感がすごいんですよね。
最初に印象に残っているのが、やはり元監督の宇津木妙子さん。現役時代は知りませんが、厳しいながらも愛情のある指導で、女子ソフトを世界で闘えるまでに鍛え上げていました。
そんな宇津木妙子さんに成しえなかった金メダルを北京オリンピックでついに獲得。
金メダルが決まった瞬間に、解説をしていた宇津木妙子さんの絶叫は今も忘れられず、ただでさえ感動的なシーンがより感動的に見えました。
そしてその宇津木妙子さんに憧れて、宇津木性をもらって中国から日本に帰化したのが今回の監督の宇津木麗華さんです。
日本代表の主砲として、シドニーオリンピックやアテネオリンピックで大活躍した人でもあります。
上野さんが若手のときに、中心だった宇津木麗華さん。
その後、所属チームでも選手、監督の間柄となり、ときにぶつかり合うこともあったという二人。
でも、信頼し合っているからこそ、己を高めるためにぶつかり合っているのだというのがしっかり分かっている二人で、今回、金メダルを獲った直後に泣きながら抱き合う二人の姿には、言葉は本当に要らないという感じで美しかったです。
スポーツを見ていて、よかった思える瞬間ですね。

それにしても、女子ソフトをオリンピックで見るたびに思うんですけれど、本当にチームとしての一体感がありますよね。
選手だけでなく、監督、コーチ、スタッフ、さらには協会関係の人たちも含めて、みんなが一丸となって目標に向かっていっているのがよくわかるんです。
だから、若手もベテランもいい感じで、融合していて、強い。
みんなが自分のためだけに動いているのではなく、チームのために、ソフトボールという競技のために頑張っているというのが良く伝わって来るんです。
みんな、本当にソフトボールが好きなんですよね。
しかも、それが日本チームだけでなく、アメリカとか、他の国の選手からも強く伝わって来るんです。

13年越しながら連続での金メダルという素晴らしい結果には終わりましたが、ソフトボールはまたしても五輪から除外されてしまいます。
個人的には、一番残してほしい競技なんですけれどね。

毎回あるとは限らない競技。
刹那的にならざるを得ない状況の中で、だからこそ選手たちは与えられた機会に対して後悔するまいと必死に頑張りを見せる。
それは、普段プロスポーツをやっている選手が、ここぞとばかりに五輪にも顔出すのとは、真逆の姿です。

図らずもコロナによってオリンピックがいかにお金に塗れているのかということがわかってしまった今回の五輪。
でも、そうした五輪の中でも、経済的に恵まれているわけでもなく、ただその競技が好きだという理由で頑張っている姿は見ることは出来ます。
ていうか、その姿を見ることが出来るのが、オリンピックという舞台なのですよね。
そして、一貫してそういう姿勢をこれでもかというほど真っすぐに見せてくれる女子ソフトボーラーたち。
こんな欲に塗れた社会のなかで、そんな姿を見せつけれらた、感動しない訳にはいきませんよ。

7年後のロス五輪では、どうかまた復活してほしいです。
その前に、女子ソフトの国内リーグはどうやら大幅に改編されて生まれ変わるようなので、メディアのみなさん、こういうコンテンツこそしっかりと放送していってください。