日本企業が世界で負け始めた理由

日本企業本社で相次ぐ「お前は中国に染まったのか!」の声欧米企業に奪われる中国市場、その要因は管理部門の非国際化

ああ、これは何かわかる気がしますね。

ようするにアメリカでは、世論の中国への強硬論に推されて、バイデン政権も中間選挙を見据えてそれに沿った政策を打ち出さざるを得ない状況にある一方で、アメリカ企業はしたたかに変わりゆく法制の中でどうやって中国で商売するのかを考え、実際に行動しているという話になのですが、一方で日本の企業の大半は、アメリカや中国の出方を伺っているだけで、結局ほとんど何もせずに商機を失っているという話です。
よく言われるのが、日本の企業は、自分たちの論理でばかり考えて、海外の商売先が何を考えているのかを考慮に入れないどころか、調べようともしていないんですよね。

有名な話では、携帯電話のiモードですね。当時技術的にはトップをいっていたものであったのに、日本仕様のものをそのまま売れば売れると携帯会社がみんなそう考え、ロクに海外でのマーケティングすらしなかったので、全然浸透しなかった。その隙にアップルがスマホを作り、そこにサムソンとかが乗っかって、みるみるうちに国際的な競争力を失ったどころか、ほとんどの国内のメーカーが携帯電話の製造から撤退するまでに追い込まれてしまったんですね。

適当に現地人を安く雇うだけで、彼らを手足としてしか考えず、その国に合ったマーケティングをしない。せっかくいい商品を持っていても売り方ひとつ間違えば全然売れませんからね。もちろん、反人権的なことをやる国のやり方に従う必要はまったくありませんが、いずれにしても、物を売るなら当然売り先の需要などを知る必要は絶対にあります。
日本のグローバル化が遅れたのは、まさにこの点を軽視したからであることは間違い無いですね。国内で内需があったことと、本来グローバル化を担うはずだった氷河期世代の多くを締め出したこと、そして非正規雇用を増やして人件費を低下させることで当面ごまかすことができたがゆえに、この傾向にさらなる拍車がかかっていってしまったんですね。
さすがにもはや多国籍企業になったところは、この過ちに気がつき、どんどんと世界標準に近づこうとしているようですが、残念ながら旧態以前のままとにかく現状維持ばかりを考えている企業もたくさんあります。

世代交代が進むまでこうした二極化の傾向は続くと思われますが、気がついたときには、多くの企業がもはや世界と渡り合うだけの体力も人材も持たず、先細っていくのを待つしかなくなっていることでしょう。
それを防ぐには、とにかく人を育てるしかありません。旧来通りに偉くなったおじさんが自分の経験則だけで決断するのではなく、多種多様な意見が出やすいどころが、むしろ会社が積極的に聞く耳を持つという体制を早急に整える必要があります。
そして合わせてやらなきゃいけないのは、そう言った多種多様な意見を言ってくれる人に対してお金という形でしっかりと報いるという当たり前のことです。
とかく日本の企業は、雇ってしまえば、どう扱っても構わないという風潮があり、非雇用者も恐るべき従順さでそれに従っているのですが、それでは働く人の能力は伸びないし、生産性も上がりません。
キチンとやっている人に対して給与を上げて、全体を押し上げ、格差を出来る限り小さくしていく。まずはこのことが出来なければ、日本が再び世界で輝く日はこないでしょう。

先進国から滑り落ちて、甘い汁を吸える立場に立った人間だけが栄える発展途上国型になるか、もう一度一億総中流を成し遂げ、世界で戦える国になるのか。今こそ瀬戸際に立っています。
まずは選挙に行って、既得権益を守ることに終始している政治家や時代錯誤で多様性の意味がわからずに、自分の主義主張だけを訴える政治家を表舞台から退場させるところから始める必要がありそうですね。