一体、誰が小室圭さんを批判しているのか?

小室圭さんと眞子さんの結婚がようやく決まりましたね。
おめでとうございます!
ここに辿り着くまで色々とありましたが、どうか末永くお幸せになってほしいですね。

しかしこの問題、ずっと気になって仕方なかったのですが、正直、わたしにはなぜ小室さんがここまで批判されるのかがよくわからなかったんですよね。
そもそもことの発端は、小室さんのお母さんの金銭の問題で、直接小室さんには関係のないことなんですよね。
しかもその話もハッキリと詐欺などを働いた話ではなく、それぞれの思い方が違っていたというだけの話で、民事訴訟で争えばいいだけの話ですよね。
それなのに、まるで世間全体が小室さんに対して反感を抱いているかのような印象だけが先走っている。
二人の結婚を祝福するかどうかのアンケートをとっても、今や6割方は祝福したいと言っているのに、自分の周りを見ても、ほとんどの人が実はこの結婚にそこまで関心を抱いていないのに、ネット上ではなぜ国民全体がいまだに二人の結婚に対して猛反対しているかのような言説が流れている。
これは一体、どういうことなんでしょう?

普通に考えれば、本筋の右翼界隈の人たちが小室さんに対して厳しい視線を持って見ているというのは、話がわかります。
そもそも彼らにとっては、天皇一家は神聖なものでなくてはならず、小室さんが平民出である時点で批判の対象となり得るでしょう。
美智子さんのときでさえも、街宣活動をやっていたくらいですからね。
でも、すでに皇室もいわゆる華族出じゃない人との婚姻が当たり前になってきている中で、小室さんだけがなぜ攻撃されるのかという疑問はあります。

確かに女系天皇問題はあるとは思います。
リベラルからすれば、最近のジェンダー平等の盛り上がりも相まって、皇室も!となるのは当たり前の主張です。
でも、保守勢力からすれば、これは天皇制の根本を覆す、とんでもない話なんですよね。
そして、小室さんと眞子さんの場合、もろにこれに当てはまる。
つまり、これまで通りなら、小室さんと眞子さんの間に男の子が生まれたとしても、この子は天皇にはなれないんです。
でも、女系天皇が認められてしまえば、この子は天皇になれる。つまりそれは、小室さんが天皇の父親になる可能性が出てきてしまうんです。
保守勢力からしたら、それはあり得ない話です。
小室さんを叩くことで、「こんな人間が天皇の父親になってもいいのか」と喧伝することが出来るので、間接的に女系天皇の話を潰すための世論操作が出来ますからね。

ただいくら右翼界隈の人々だけが騒いだところで、限界はあるでしょう。
彼らが一役買っていたり、アンチ小室の一翼を担っている可能性はあるかもしれませんが、さすがに今のアンチ小室の大合唱を彼らだけでやっていると考えるのは無理があります。
そもそもここ数カ月くらい前からは、小室さんだけでなく眞子さんまでもが誹謗中傷の対象になっていますからね。
真の右翼界隈の人たちが皇族である眞子さんまで攻撃するというのは少し考えづらいんですよね。

じゅあ、一体誰が小室さんを攻撃しているのか。
一人一人の顔は残念ながら見えてきません。
ただヤフーコメントにおいて、小室さんを攻撃しているコメント主が他にどんなコメントをしているのかを見てみることで、何かがわかるのではないかと思い、今回いい機会だったので実際に何人もの人たちを調べてみました。

そしてその結果わかったのは、ヤフーコメントにおいて小室さんを執拗に攻撃している人たちは、ただひたすらに小室さんを叩くことを前提に、彼の記事が出て来るたびに反応し、彼を叩いているという事実です。
彼らがなぜ小室さんを叩くのか。
その理由は一人一人違い、おそらく成り上がり者に見えて腹が立ったからとか、色々とあるとは思いますが、ただ一つ言えるのは、彼らは小室さんについてどんな話が出てこようと、そもそも小室さんを叩くというスタンスを変える気がなく、自分たちに都合よく解釈してはパブロフの犬の様に反応しているということです。
しかも彼らの多くは、自らのコメントを何度もコピペして、似たようなメディア各社のそれぞれの記事に貼り付けるという熱の入れようで行動しています。
これが意味しているのは、あたかも多くの国民が小室さんに対して反感を抱いているというような印象操作がされていますが、実際その数はずっと低いということです。
つまり、アクティブに何度もコメントすることで、あたかも多くの人が小室さんのアンチであるということを印象づけようとしているんですね。

また彼らのコメントを分析してみて、彼らの多くが「国民」という言葉をやたらと使っているという点も気になりました。
結婚に反対しているのは「自分」であるはずなのに、主語を意図的に「国民」に置き換えてそれを連呼することで、あたかも「国民」全体が結婚に反対しているという印象を持たせているのです。

こういうやり方は、小室さんと眞子さんの結婚の話だけでなく、最近、ネット上で非常によく見られる手法です。
記憶の新しいところでは、自民党の総裁選がそうでしたね。
候補者の一人であった高市早苗さんの推すために、あたかも国民全体が高市さんを応援しているかのような言説が目立っていました。
結果は、党員票に置いて高市さんは3位に沈んでいました。
保守派だけではありません。
左派の人たちも、オリンピック反対を叫ぶときにこの手法をよく使っていました。
「わたし」ではなく、「国民」全体がオリンピックに反対していると。
そして都合が悪くなると、共通して「自分たちではなく、メディアが印象操作をしているのだ」と言うんですよね。

民主主義国家である以上、法律を犯さない限りは、どのような思想を持つのは自由です。
ただ意図的に世論を操作し、世間を味方につけるためにあたかも国民全体が自分たちと同じ意見なのだと喧伝することは、民主主義への冒涜です。
右とか左とか関係なく、こうやってネットなどを使って自分と反対意見の人を出し抜いて、自分たちを正当化するというのは、民主主義が健全に機能しているとは言えないんですよ。
それは一部の極端な主張をするメディアも同じです。

先日、ヤフーが誹謗中傷がひどすぎる記事に関しては、コメント欄を閉鎖すると発表しました。
実際に、今回小室さんと眞子さんの結婚に記事について、いくつかの記事のコメント欄が閉鎖されたそうです。
こうした動きに対して、ネットの言論統制ではないかという意見があります。
確かに、これが行き過ぎると、そう言わざるをえなくなる可能性はあると思います。

ただ現状、ルール無用状態にネット上がなっているのはかなり危険です。
アクティブユーザーが比較的に楽に世論操作をしやすい環境になってしまっていますからね。

2018年まであった、ヤフーのパリーグTVのコメント欄は正直見るに堪えない程、酷い罵詈雑言ばかりでした。
ただヤフーは2019年にこれを廃止し、2020年からはチャットという形で復活させました。
ちょいちょいと今でも荒れることはありますが、以前のコメント欄に比べればはるかに健全に違うチームのファン同士が交流できています。
コメント欄の閉鎖も一つのやり方だとは思いますが、ここは以前、パリーグTVでやったようにうまいやり方を見つけて作ってほしいですね。

またコメントを観る方も、しっかりと自分でファクトチェックをする癖をつけて、熱に犯されずに冷静に物事を判断してほしいです。
民主主義を壊さないためには、結局は一人一人が流されずに自分の意見を持つことしかないのですからね。