「21Lessons」著 ユヴァル・ノア・ハラリ

「21Lessons」
著 ユヴァル・ノア・ハラリ

「サピエンス全史」や「ホモ・ゼウス」で一世を風靡したユヴァル・ノア・ハラリの最新作です。
ひと言で言うと、歴史学者らしく現代を歴史からの観点で非常によく捉えており、現代の現状を知るのは非常にわかりやすくためになる本でした。
著者が主張するように、アルゴリズムが人類を支配していくという考え方には個人的にも以前から考えていたことなので同意します。
そもそも脳神経科学が人間の意志が生化学的なアルゴリズムから生まれていることが解明されてきている今、政治や宗教の在り方が変わってくる、当然、テクノロジーがもたらすアルゴリズムがそれを助長していく、そうした未来像は確かにリアルに目の前にある話であるんですよね。

著者は本の中で丁寧に、現状の問題点を一つ一つのテーマに沿ってあげていき、今、この世界がどうなっているのか、そしてどこに向かっているのかを浮き彫りにしていきます。そして正直読み進めれば読み進める程、読者をどうにもならないじゃないかと絶望的な気持ちにさせていきます。
たぶん、そうした暗い話を見たくないという人もたくさんいるでしょう。
でも、暗くて、絶望的な話であるからこそ、著者はみんなで考えるべきだと敢えてこれらのテーマを語っているに違いありません。

何から何までアルゴリズムに支配されては、人間はなすすべはない。最後まで読み終えて、そうした話は何だかスピノザの「エチカ」で語らられる、運命は最初から決まっていて、人間の意志ではどうしょうもないという話と似ているなと思いました。

ではそうした未来を克服するためにはどうすればいいのか?
著者は、この本を出版することで、一人でも多くの人にそのことを考えてもらいたいと願っているのでしょう。

就職氷河期世代は「甘え」ているのか?を新実在論で斬ってみる

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200217-00010001-chugoku-socihttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200217-00010001-chugoku-socihttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200217-00010001-chugoku-soci

中国新聞で就職氷河期世代への支援の記事を載せたところ、それよりも上の世代であるバブル世代や団塊世代から就職氷河期世代は甘えているのでは?という意見があり、それをまた記事に載せたところ、ヤフーコメントが炎上していました。
まあ、そりゃ、炎上しますよね。
典型的な世代間闘争ですね、これは。
でも、こうした世代間闘争は結局双方に折り合いがつかず、不毛に終わることがほとんどなんですが、今話題になっている哲学者のマルクス・ガブリエルさんの新実在論の考え方をしてみれば、もうちょっとわかりやすく、解決の糸口になるのではないかと思いました。
新実在論、いわゆる、「世界は存在していない」で話題の考え方ですね。
かなりわかりやすく解釈すると、ようするにそれぞれに共通する世界はないのだから、まずはそれを自覚するべきだという話です。
つまり、バブル世代や団塊世代は、自分たちの経験をもとに就職氷河期世代は甘えていると言いますが、バブル世代や団塊世代の経験は、全世代共通の経験ではありません。そして、就職氷河期世代は、自分たちは貧乏くじを引いたと自分たちの経験をもとに訴えますが、これもまた全世代共通の経験ではありません。
ようするに、それぞれがそれぞれの経験をもとにそれぞれの考えを言うのだから、そこに共通点はなく、噛み合わないのは当然なのです。だって、彼らが主張している世界は、そもそも彼らにとって共通の世界はないんですからね。
じゃあ、どうすれば?という話になりますが、話は簡単です。
自分たちの経験だけを一方的に主張したところで、そもそも闘う土俵が違うのだから無意味だということを悟ることです。
そして、次に客観的な事実だけを冷静に取り出して、それのみを判断の基準にすることです。
就職氷河期世代の客観的な事実は、数字にもはっきり出ています。
まずこの時期における明確な内定率の低下
それに非正規社員の増加
そして、その後の少子高齢化と働き盛りのうつ病発生率の増加。
これらのファクトだけで、就職氷河期世代はまず正社員で大手企業に入るのは他の世代よりもずっと困難で、非正規のスパイラルに陥っている人がより多くいることがわかります。
その上に、後の世代の頭数そのものが少ないため、中堅どころになってもその多くの仕事を若手に渡すことが出来ません。
しかも時代が失われた30年真っただ中です。バブル期のように賃金は上がらず、人手不足で仕事だけが増えています。
と、経験抜きで事実だけを積み重ねただけで、バブル世代や団塊世代に比べて、はるかに就職氷河期世代が困難な状況に置かれていることは顕かですね。
それを個人の経験だけで、「甘えている」と論ずるのはかなり暴力的な考え方です。
なので、まあ、炎上するのは当たり前の話なのですが、人間はおろかなもので、どうしても自分の見方から離れられないんですよね。
就職氷河期世代の中ですら、コネ等で首尾よく大企業に入れた人とそうじゃない人とでは、全然世界の見え方も変わってきて、別れてしまいますからね。
冷静に、事実を見て、何をどうするべきなのかを判断してほしいんですけれどもね。

そうすれば、意外と世の中の問題への対処の仕方って見えてくると思うのですが。

外国人就労者が増える前にやるべきこと

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70182https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70182https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70182

読んでいて、日本人としてちょっと残念に思う記事ですよね。
志を持って日本に働きに来てくれている外国人のほどんどが日本に幻滅しているという話です。
つまり、人手不足で外国人に来てもらっているのに、外国人に対する受け入れ態勢が何も整っていないんですよね。
障がい者雇用の問題などにも言えることなのですが、法律を作って施策を進めるのはいいのですが、とかく法律だけを作ってあとは民間に投げるという姿勢はどうにかしてほしいです。しかも投げられた民間も、ほとんどがそうした問題に対して、現場に放り投げるだけですからね。
一体、何なんでしょうね、この現場で何とかしろという主義はホントに。。。政治も経済もこういう雑なところに軍国時代の名残を感じます。

少なくても、外国人の問題に関しては、生活の根幹である医療と教育はもう少し国が自治体が動くべきではないかと思います。
現段階で、いきなり学校や病院に何とかしろと言われても、限界があります。
ならば、外国人の受け入れをスムースに勧められるような人材を養成し、彼らをそれなりの給料で雇うシステムを中長期的なプランで作るとともに、短期的には就労外国人及びその家族のために専用の学校や病院を作るべきなんじゃないでしょうか。
日本の学校に適応出来なかった子ども、日本語や英語がまったく喋れない人、それに絞れば数はかなり減ると思うので可能な話だと思います。
どこかの学校や病院に併設する形でいいと思うので、特別予算を組んでそれくらいのことはやってほしいですね。
人手不足を補うために来てくれているのですから、せめてそれくらいのことはしないと。

楽天送料無料問題。時代に逆行する三木谷氏の言葉

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70271?page=5https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70271?page=5https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70271?page=5

記事の言う通りです。楽天の送料無料問題なのですが、正直三木谷氏の言葉を聴いて耳を疑いました。
時代の風雲児のような顔をして、結局時代の流れを何もわかっていないんだなと。
今、世界はどうにかしてGAFAの支配から、自分たちの意思決定を守ろうという方向に向かっています。
つまり、求められるのはGAFAのやり方ではなく、それとは違った、人が一方的にアルゴリズムに支配されないシステムであり、皆が共存し合うシステムの構築のはずです。
三木谷氏は、やたらとアマゾンの名を比較対象として挙げていますが、単にアマゾンの立ち位置にとって代わりたいだけというのが見え透いています。
送料無料の話だって、アマゾンは2000円で無料と三木谷氏は言っていますが、アマゾンの場合は、自社の倉庫にストックしている分を無料にしているだけで、店舗からアマゾンを介して商品を買う場合は、その店舗が送料を決めているのです。
つまり、三木谷氏の言ってることは、かなりトンチンカンな話で、そんな話で消費者や出品者を騙せるのかと思ったら大間違いですよ。
既存のやり方に反発したいのなら、単純にそれに取って代わることを目指すのではなく、既存のやり方を凌駕するようなやり方を見つけるべきです。
楽天球場のキャッシュレス化や今回の送料無料の話など、最近の楽天はとかく力づくで物事を進めている印象があります。
三木谷氏は、やたらと三方よしという言葉を使っていますが、本当にこの言葉の意味を分かってるのかと言いたいです。
自分たちだけがうまく利益を吸い上げるようなやり方をしても、これだけ情報化が進めば、すぐにわかるし、みんな共有もしますしね。

支配欲に掻き立てられて上ばかりを見るのではなく、まずは自分の足元をしっかりと見て欲しいですね。
出品者がいなければ、そもそも楽天市場は機能しないんですから。

企業も見習うべき? ロンブー田村淳さんの見事なリスクマネジメント力

去年、起きた闇営業問題を受けて、芸能活動を自粛していたロンドンブーツ1号2号の田村亮さんの復帰会見が先日行われました。
驚いたのは、相方の田村敦さんの手際と演出の良さ。
夏に亮さんと宮迫さんが行った会見とまったく同じ場所で復帰会見をすることを決めた淳さんは、一から出直すことを意思表明するために、デビュー当時の真っ赤な髪で登場します。これだけで驚くべき話であるのですが、淳さんは相方が登場する前に、緊張している亮さんを慮るように自分で前説を始め、さらに自ら率先して狭い場所での会見を円滑にかつ心地よく進めようと動いていたようです。
ほかにも色々とこまごまとした工夫がされていたようですが、とにかく記者会見を円滑に進めるために頑張っていたそうです。
結果として、そんな淳さんの行動に、マスコミはすっかりと心を動かされてしまったそうです。
マスコミも世論も、前日ユーチューバーとして復帰した宮迫さんへの反応とは正反対に総じて好意的なものとなっています。

まあ、もちろん、演出だけでなく、元々の亮さんの人柄であったり、二人のコンビ愛がなせるものだとは思いますが、それにしても淳さんは素直にすごいと思いました。自分たちの心を見せるということをよくわかっているんですね。誠意というものが何であるのかをよく理解しているし、その示し方もわかっているような気がします。

最初は、相方に厳しく接し、相方の反省が世間に伝わるまで許さなかった。
そして、夏の会見を経て、相方への世間の反応が変わってきたところを見計らって、亮さんに手を差し伸べる。
さらには世間の批判に押される形で吉本がエージェント制を決めるや、それを自分たちにも適用し、亮さんが復帰するための土台を作る。
最後に、亮さんの体調が回復するのを待って、復帰会見をする。

経緯を追ってみると、見事としかいいようがないです。
もちろん打算もあったでしょうが、淳さんに亮さんへの気持ちがあるからこそ、そして自分たちが世間に支えられて芸能活動をしているのだということをよく知ってるらこそ、このような誰もが受けいれられる復帰になったのだと思います。
多くの企業にとっても、淳さんのこうしたやり方は見習うべき点は多くありますね。

ただ今回は、淳さんが亮さんのことを思ってのこその行動だとわかるので好ましいのですが、こうした力を悪用し、マスコミや世論を狡猾にミスリーディングするような輩が現れたらちょっと怖いなとは思ってしまいました。

フィンランドを見ると、衝撃的なほどに日本の価値観が古臭いのかがわかる。

https://mi-mollet.com/articles/-/21707https://mi-mollet.com/articles/-/21707https://mi-mollet.com/articles/-/21707

フィンランド大使館で働いている方の話なんですけれど、とても興味深かったです。
フィンランドの生産性がなぜ高いのか、それでいてなぜフィンランドの人の幸福度が高いのかがとてもよくわかりました。
ひと言で言うと、人を縛り付けるようなものがないんですよね。
上下関係も、男女の関係においても、基本的に平等が当たり前だから、ちゃんと話し合える。だから互いに分かり合えるし、配慮も自然とし合える。
そりゃ、生産効率もよくなるし、生きていて幸せだとも感じますよね。
去年、フィンランドで34歳の女性の首相が誕生しましたが、ほかの国の人がビックリししているのに対し、フィンランドの人たちはどうしてそんなに他の国の人たちが驚いているのかがいまいちピンとこなかったようです。
フィンランド人にとって、有能であれば、若かろうが女性だろうが関係ないっていう考えが当たり前のように根付いているからなんでしょうね。

記事の中で個人的に面白いなって思ったのは、フィンランドの会社では、日本の昭和時代がそうであったように、社員で体操をしたり、上司と一緒にサウナにいったりと、コミュニケーションの場が多くあるそうです。
平成、令和となって、そういったことが若者から嫌がれるようになった日本に対して、どうしてフィンランドではそういうレクリエーションが機能しているのか。
答えは簡単です。日本のそれは、上下関係の延長線上ではなく、あくまで上に立つ者が下の人間を力で従わせるための儀式でしかないからです。
一方でフィンランドでは、上司に意見を言うのが当たり前です。また上司の仕事も自分のやりたいことを部下がちゃんとやっているのか、自分の価値観が正しいことをいかに押し付けるのか、ではなく、あくまでみんなが健康に効率的に働くためにはどうすればいいのかを考え、実行することです。つまりは誰であろうと、尊重し合って生きているわけですね。
だから、上司との交流も楽しくなる。だから、女性も男性と同じように活き活きと働けるというわけですね。

日本にはびこる上下関係は正直古いです。発展途上国がそうであるように、同じモノをひたすら大量に作るということが目標であれば、とにかく言うことをきかせるという軍隊式のやり方が効率よかったのかもしれません。でも今、日本が置かれている状況はそうではありません。
クリエイティブに、生産性を上げていく、価値の高いものを創造していく。
これらは、上下関係のしがらみがある中では絶対に生まれません。
日本が本当の意味での先進国になりたいのなら、「日本の技術はすごい!」なんて言って、気持ちを誤魔化すことばかりをせずに、自分たちが一体何が出来ていなくて、ずっと成長率が滞っているのかをみながしっかりと考えて、変えていかなくてはいけませんね。

日本の生産性が上がらない理由

https://courrier.jp/columns/188791/https://courrier.jp/columns/188791/https://courrier.jp/columns/188791/

すごくいい記事でした。
アメリカの話なんですが、読んでいてなぜ日本の生産性が上がらないのかがよくわかりました。
記事によると、アメリカの製造業では1980~2010年の間に雇用が1000万人減ったというのに、2000~2007年の間に生産出量が8%上がったそうです。そしてその理由が書かれているのですが、ようするに問題解決能力のない人材の雇用を大きく減少させて、その分問題解決能力を持つ少数精鋭の人材を雇ったという話だそうです。実際に、現在40%を超える製造業者の従業員が大学の学位を持っているそうです。1991年の統計ではこれが22%だったことに対して。
そして当然、そうした能力のある人材に対して、相応の給料を与えています。
格差や失業率のことを考えると、果たしてこれが正しいのかどうかは微妙なところです。
でも、単純に生産性を高めるという一点を考えると、効率のいいやり方ではあると思います。

では、問題はアメリカ式のこうしたやり方が日本でも通用するのかという点。
終身雇用制で正社員が守られている日本では、まず大量の解雇が難しいです。
じゃあ、社員を教育しろという話になりますが、大学や大学院で学ぶことが若年層であることが一般的な社会通念がはびこっている中では、これもちょっと難しいです、企業がよっぽど手当てか何かを与えて、従業員にそう仕向けでもしない限りはそれが広がることは無理でしょう。
しかも、スキルを身に着けたからといって、ほどんどの企業が従業員に還元することよりも内部留保に走ってしまっています。
まあ、そもそも少子高齢化で人そのもの減っている日本と、移民によって人口が増えているアメリカとでは、土台が違います。

結論としては、日本はアメリカの真似は出来ないということですね。
つまり雇用が減る=生産性が上がるという単純な話にはならないという話です。
ということは、日本は日本なりに独自の生産性のあげ方を考えなくてはいけないという話になりますが。
今の経営者がどれだけそのことを理解しているのかという話ですね。

「ミリキタニの猫」

「ミリキタニの猫」
2007年/アメリカ

ドキュメンタリーがここまで奇跡につながる話って珍しいですね。
話は、映画作家であるリンダ・ハッテンドーフがNYの路上で一人の老人ホームレスに出会うことから始まります。
老人の名は、ジミー・ツトム・ミリキタニという日本人で、路上で絵を描きそれを売ることで生きている男性でした。最初は猫の絵を描いてもらい、代わりにビデオで彼が描いている姿を撮るといったぐあいの交流でしたが、9.11が二人の関係を大きく変えます。
有毒ガスが立ち込め、皆が避難するしかない中で、リンダは何と自分の家に来るようにジミーに誘うのです。
独身女性が、ホームレスの老人男性を家に泊らせる。常識的には考えられないことです。ただ彼女は、のちのインタビューでただそうしなければいけないと瞬時に思ったと口にし、それまでの何か月もの間で彼との信頼関係があったので何も心配はしていなかったといいます。
二人で生活することで、ジミーという人間の歴史がどんどんと見えてきます。それは、通常の教育では知らない歴史の話であり、彼の苦難の歴史です。
単純に、歴史っていうのは教科書に書かれていることだけが歴史ではなく、こうした一人一人の中にあるものだということをジミーを通じて、この映画では学ばされるのです。
実際、ここで語られるのは、太平洋戦争が開戦するにあたって、アメリカに住んでいた日本人であるジミーが米国市民権を持っているにもかかわらず、収容所に入れられた話であり、戦争が終わってからもホームレスになるまでの苦難の道のりです。
戦争中、日系人が収容所に入れられていたという話は、ちょっと歴史に詳しい人なら知っているかもしれませんが、それがどういうものであったのか、また彼らが出た後どうなったかなど、大抵の人はほとんど知らす、歴史に埋もれていく話ですからね。
ジミーによって語られる物語の大きさと、それがどうやって現在に繋がっていくのかを知るだけでも、この映画は大きな価値がある映画だと思います。
もちろんジミーの絵の才能や彼の描く絵の迫力にも圧倒されます。
ただ個人的にわたしがこの映画で一番いいと思ったのは、ジミー本人に対して、この映画の監督であるリンダという女性が高齢のホームレスであり、日本人であり、アーチストであるジーミーと互いに尊重し合いながらも、対等な関係を気づいていく物語性です。
さらに、リンダの善意が共同体の善意を呼び、頑なだったジミーが変わっていく姿をみると、人間は捨てたもんじゃないと思わされます。
正直、リンダという人間そのものがとても好きになりました。
映画って本当にいいなって、思われる作品です。

生産性が高いとされるドイツの意外なほどの不便さ

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生産性の話となると、よく比較されるのがこのドイツという国です。
人口が日本の三分の二しかいないのに、GDPがそれほど変わらず、しかも働いている時間の平均が日本人よりもずっと少ないという話になると、「何で?」という話になります。
まあ、その理由が色々とあると思いますが、一番は政府が法律で働き過ぎないようにしているという点に尽きます。つまり、日本でいう働き方改革みたいなものをより強制的な感じでやっているんですね。
で、そうなると、日本のように至れり尽くせりなサービスが出来なくなります。
実際、そのサービスの出来なさぶりが書かれている記事が上に貼ったものなのですが、日曜日はほとんどの店が休んでいるし、電車は全然ちゃんと来ないしと、日本人の感覚からすると恐ろしいほど不便だそうです。
実際、ドイツ人も不便だと感じるときはあるんでしょうが、でも、まあ、そういうもんだとも思っているようです。
ようするに、なきゃないで、しょうがないと思うんでしょうね。
逆に言えば、日本はちょっと何でもかんでも至れり尽くせりすぎます。おもてなしとかいいますが、明らかに自分たちで首を絞め合っていることに間違いないですからね。
ドイツまで、とはいかなくても、ある程度サービスを制限していく必要はありそうです。
法律で縛るのか、それとも意識的な変革がなされていくのか。色々と方法はあると思いますが。
従業員にも生活がありますからね。
時間的に余裕があった方が色々なことを考えたり、学んだりする生産的な時間が生まれると思いますしね。

こうやって、真似ないまでも、他の国のやり方を見て、考えてみることは大事ですね。

「観察する指揮官 「辻流」選手との接し方」 著 辻発彦

「観察する指揮官 「辻流」選手との接し方」 
 著 辻発彦

埼玉西武ライオンズをプロ野球パリーグ18、19年と二年連続で優勝に導いた辻監督の著書です。
スポーツの本と思いきや、基本的にマネジメントの本なのでビジネス本とも言えます。上司にすごく読んでほしい本ですね。

最近、野村克也さんが「現役監督の中で名監督は誰ですか?」という質問に対し、「辻だ」と即答していました。確かにこの本を読めば、野村さんがそう評価するのがとてもわかりますね。
新人時代に広岡監督に、西武黄金時代に森監督に、そして現役晩年は、ヤクルト野村監督の下で名セカンドとしてプレーし、引退後は野村監督や中日落合監督の下でコーチをずっと経験してきた辻さん。
日本を代表する名将の下で鍛えられるという運にも恵まれていますが、この人にはそれをしっかりと吸収する力があるのがよくわかります。
なんか、こういう上司の下で働きたいとすごく思いました。
具体的には、表題通りに選手を観察し、適切なコミュニケーションを取っていくことが肝のようですが、とにかく選手だけでなく、コーチに成長してもらいたいという一心だということがとても伝わってきます。
それぞれの名将から何を教わり、自分なりにどう解釈をして、それを今に活かしているのか。
そんなことが的確にまた普遍的に語られているので、野球だけでなく色々な職業にも当てはめて考えることが出来ます。
ぜひ職場でのマネジメントに悩んでいる人には読んでもらいたい本ですね。