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文化

「新黒沢 最強伝説」 著 福本伸行

「新黒沢 最強伝説」  著 福本伸行 「最強伝説 黒沢」の続編ですね。 前作が主人公の黒沢の死が連想される中で終わるのですが、本作では昏睡状態であった黒沢が8年間の眠りから覚めるところで始まります。 そもそも前作がギャグマンガでありながら、読んでいるうちにどこか哲学的は話になっていく不思議な作品ですが、その傾向は本作でも受け継がれています。 前作で黒沢そのものが半ば悟りを開くような形で終わっている […]

「肉体のジェンダーを笑うな」 著 山崎ナオコーラ

「肉体のジェンダーを笑うな」  著 山崎ナオコーラ 「人のセックスを笑うな」で有名な山崎ナオコーラさんの「ジェンダー」をテーマにした作品ですね。 ガッツリとこの問題に対して正攻法をとっているというよりは、SFっぽいアプローチをしている作品です。 山崎さんらしくユーモアを交えながら話を進めているので、とても読みやすい作品でした。 中編と短編が入り混じったものになっているのですが、収録されているのは、 […]

「同志少女を敵を撃て」 著 逢坂 冬馬

「同志少女を敵を撃て」  著 逢坂 冬馬 テーマ性とエンターテイメント性を兼ね備えた傑作だと思います。 どっちをとっても、素晴らしいというのはなかなか難しいのですが、それを初めての作品で成し遂げているのですから只者じゃないですね、この作家さんは。 本屋大賞も納得です。 ソ連のスナイパーというと、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」をどうしても思い出してしまうのですが、本 […]

「すべてがFになる」 著 森 博嗣

「すべてがFになる」  著 森 博嗣 森博嗣さんがメフィスト賞を受賞してセンセーショナルにデビューした作品ですね。 多くの人がベスト10に選ぶほど人気が高い作品です。 一体何が多くの人を惹きつけるのかと思って読んだのですが、なるほど納得しました。 確かにこの物語は、ミステリーの形をとりながらも、ミステリーの枠を超えた、優れた作品だと思います。 ミステリーを読む際に重要なのはいかに読み手を引っ張れる […]

「三体X 観想之宙」 著 宝樹

「三体X 観想之宙」 著 宝樹 世界的に大ヒットした「三体」シリーズの公式スピンオフ作品です。 「三体」シリーズの劉慈欣さんが書いたものではなく、そもそもはただの一ファンであった宝樹さんが「三体」が好きすぎてシリーズで語られなかった部分を自らの想像力によって補完した同人誌なんですよね。 ただこのわずか一月ばかりで個人が勝手に書かれたというスピンオフ作品のレベルがすこぶる高い。 瞬く間に注目を浴びた […]

「最強伝説 黒沢」 著 福本伸行

「最強伝説 黒沢」 著 福本伸行 「カイジ」で有名な福本伸行さんの作品ですが、面白いです。 正直個人的には「カイジ」よりもこっちの方が好きです。 読んでいて久しぶりにゲラゲラと笑ってしまうことが何度もありました。 まったく一般的な幸せとはかけ離れた立ち位置にいて、いつの間にかただ年をだけを重ねてしまった冴えない中年、黒沢が主人公なのですが、いわゆる社会の底辺にいるような人物を描きながらも、暗い話に […]

「嘘と正典」 著 小川 哲

「嘘と正典」 著 小川 哲 小川哲さんの短編集ですね。 個人的にとても自分の好みに合ったものを読ませてもらえる好きな作家さんです。 特徴的なのは、SFが基本でありながら、ジャンルを飛び越えて話を作り込んでくる点ですね。 特に歴史に造詣が深く、歴史に関わる話やタイムスリップの話をあの手この手で作って来るので、歴史とSFが大好物としてはたまらない話をいつも読ませてくれるんですよね。歴史改変モノという一 […]

「氷結時代の終わり」 著 六角光汰

「氷結時代の終わり」  著 六角光汰 六角光汰さんの「太陽系時代の終わり」の姉妹編にあたる小説です。 「太陽系時代の終わり」を読んだ後に、ぜひ続編が読みたいと思っていたところに、姉妹編なら「小説家になろう」で読めるとのことで読んだ本です。 「太陽系時代の終わり」を楽しく読ませてもらった身としては、ああ、この話はこういう話だったのかとパズルがハマっていくようなカタルシスを感じることが出来る一方で、お […]

「1972年からの来訪」 著 黒川甚平

「1972年からの来訪」  著 黒川甚平 不思議な感覚のする話でした。 あさま山荘事件から二十数年後の話なんですが、その頃の学生運動をやっていた人たちが久方ぶりに集まり、そこで過去の記憶を蘇がえさせいくというストーリーです。 失踪事件を交えて、ミステリーとオカルトっぽい雰囲気が混じるような形で進んでいくのですが、そこに学生運動当時のリアリティのある話が差し込まれていくので、読んでいる人間をいい意味 […]

「ブラッドライン」 著 黒澤 伊織

「ブラッドライン」 著 黒澤 伊織 まず様々な国を横断するような形で(戦争を行っている2国は架空の国ですが)、世界の矛盾を浮かび上がらせようという試みが面白かったです。 自分のアイデンティティに近いものを書くのとは異なり、これだけ広い視点でもって話を語るというのはかなり難しいと思いますが、そこを恐れずに敢えて語っていく作者の作家としての姿勢というか、熱意に敬意を評したいですね。 こうしたチャレンジ […]