働き方改革始まる。

https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/190402/ecd1904020500002-n1.htm
ついに働き方改革が始まりましたね。
大部分の人の注目は、残業月45時間以内年360時間までという制限を守れるかどうかだと思います。

民間の働き方そのものを政府が制約することに関しては、色々と意見はあると思いまうが、ただこうでもしない限り無駄な残業は減らず、一部の企業もとにかく人手不足を言い訳に従業員を働かせ続けているのも事実ではあるので致し方ないのかもしれません。

問題は、やはり長年培われ続けた、残業をしてナンボという文化、そして残業するのが当たり前という空気感だと思います。
そもそもの前提として会社員が残業するのが当たり前という感覚になっていること自体がおかしいんですよね。

この感覚は一件経営者にとっては、黙って働かせるという意味では都合がいいのかもしれませんが、長い目で見れば、おそらく何もいいことはないでしょう。
実際、テキパキと仕事をこなせして、家庭とのバランスを取ろうという人が空気が読めない人間とされ、ダラダラと仕事をした挙句に、家庭を顧みないような人が評価されるというおかしなことが起きかねないことは事実ですからね。
そうすると、その会社では、本当に優秀な人材が失われるだけでなく、間違った人間が出世をしたり、またそうした間違った人材がまた間違った人材を生み、逆に優秀な人材を失わせる……なんていう事態が起きかねません。
まあ、あくまで極端な話かもしれませんが、要するに残業することが当たり前で、残業しなければ評価されない、もしくは残業をすればするほど評価されるという感覚では、基準が基本的に残業の多さになってしまい、それに耐えられる人間こそが優秀な人間だというマッチョな考え方でしか会社自体が動けなくなってしまうんですよね。

人の評価はどこまでも、その人の人となりの技術や経験、そして想像力や知力で図られるべきであり、働いている時間を尺度にするべきではないんですよね。それが、マネジメントが出来ない人間が上に立ってしまうと、どうしても自分の言う通りに長時間働いたかどうかが基準となってしまい、そこにその上司自身の差別や偏見が入ると目が当てられない事態になってしまいます。

人をどう評価するのか。これがこれからの働き方改革のキーポイントになることは間違いないでしょう。通常これくらいのことをこれぐらいの時間でできる。まず社内の中でそういった一般的な尺度を作って、それをどう割り振っていくのかを話し合って決めていくことが、単純ですけれども一番大事なことなのだと思います。

中小企業の改革は来年からとなっているので、大手企業はとにかく余った仕事を下請けに押し付けてしまえと考えがちかもしれませんが、それでは問題を弱い方に押し付けているだけで何の解決にはなりません。

日本では大掃除と言えば、年末ですが、欧米では春先の「スプリングクリーニング」が一般的です。わたしたちも新年度になった今こそ、古くて不合理なものを捨てるべきときなのかもしれませんね。