「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」 

「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」
アメリカ/1985

中学一年生くらいのときにテレビで観て、やたら面白かったという印象が強い作品です。
何となく懐かしくなって、改めて数十年ぶりに観返してみたのですが、やはりエンターテイメント作品として面白いです。
あまり有名でなく、隠れた名作となるのでしょうが、でも、作った人を見て見ると、納得。
製作総指揮がスティーブン・スピルバーグであることは知っていたのですが、監督が後に「レイン・マン」を作ることになるバリー・レビンソン、脚本が「ホーム・アローン」シリーズや「ハリー・ポッター」シリーズで一世を風靡することになるクリス・コロンバスが担当しているのですから、面白くならないはずはないんですよね。

話は、かのシャーロック・ホームズとワトソンが少年時代に出会っていたらという発想から始まっているのですが、うまく世に知られたキャラクターを使いながらも、独特の世界観を作っているので面白いですね。
後の「ハリー・ポッター」も伝統ある学校が舞台ですが、脚本家が同じだけあって、その雰囲気の原型がみられるようで興味深いです。
内容的には、今見て見れば、若干オリエンタリズムに陥っている部分はあるものの、決して話を予定調和に収めず、またホームズの世界観とも整合性を持たせていて非常にうまく作り込んでいます。
敵の組織のモチベーションが弱く、もうちょっとその部分を描いてもよかったように思われますが、どんどんと話が進んでいくので、ついつい物語に引き込まれてしまいます。
今でいうCGの走りも使っていますが、あまりに技術的に走るよりも、この程度の使い方で抑えて、あくまで物語で観客を引き付けるんだという意図がハッキリと現れているので、個人的には観ていてちょっとホッとしますね。
確かに、80年代のアメリカ映画は、こういう作りをしている作品が多くて、単純に映画というものを楽しんでいたというのを思い出しました。

本当にあまり知られている作品ではないのですが、ぜひちょっと観てもらいたい作品ですね。