「観察する指揮官 「辻流」選手との接し方」
著 辻発彦
埼玉西武ライオンズをプロ野球パリーグ18、19年と二年連続で優勝に導いた辻監督の著書です。
スポーツの本と思いきや、基本的にマネジメントの本なのでビジネス本とも言えます。上司にすごく読んでほしい本ですね。
最近、野村克也さんが「現役監督の中で名監督は誰ですか?」という質問に対し、「辻だ」と即答していました。確かにこの本を読めば、野村さんがそう評価するのがとてもわかりますね。
新人時代に広岡監督に、西武黄金時代に森監督に、そして現役晩年は、ヤクルト野村監督の下で名セカンドとしてプレーし、引退後は野村監督や中日落合監督の下でコーチをずっと経験してきた辻さん。
日本を代表する名将の下で鍛えられるという運にも恵まれていますが、この人にはそれをしっかりと吸収する力があるのがよくわかります。
なんか、こういう上司の下で働きたいとすごく思いました。
具体的には、表題通りに選手を観察し、適切なコミュニケーションを取っていくことが肝のようですが、とにかく選手だけでなく、コーチに成長してもらいたいという一心だということがとても伝わってきます。
それぞれの名将から何を教わり、自分なりにどう解釈をして、それを今に活かしているのか。
そんなことが的確にまた普遍的に語られているので、野球だけでなく色々な職業にも当てはめて考えることが出来ます。
ぜひ職場でのマネジメントに悩んでいる人には読んでもらいたい本ですね。