「鬼滅」ブームも留まるところを知りませんね。
個人的には、「鬼滅」の原作者が女性だというところに納得感がありました。
繊細な心理描写とか、女性ならでは、という感じですものね。
禰豆子が竹を咥えているのも、もしかして日本社会において黙らされている女性のメタファーなのでは?と勝手に想像しています。
それにしても、「鬼滅」が女性作家によるものなら、そもそも少年ジャンプにはどれくらいの女性作家がいたのかなって、急に気になって思わず調べてしまいました。
天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!』
河下 水希『りりむキッス』『いちご100%』
かずはじめ『MIND ASSASSIN』『明稜帝 梧桐勢十郎』『鴉MAN』『神奈川磯南風天組』
樋口大輔『ホイッスル!』
藍本松『保健室の死神』『MUDDY』
古舘春一『ハイキュー!!』『四ッ谷先輩の怪談』
榊健滋『エニグマ』
KAITO『クロス・マネジ』『バディストライク』
三木有『改造人間ロギイ』
吾峠呼世晴『鬼滅の刃』
出水ぽすか『約束のネバーランド』
星野桂『D.Gray-man』
ちょっと調べただけでたくさん出てきました。ていうか、少年ジャンプだけでこんなにいらっしゃったんですね。世代的なところもありますが、わたしが明確に女性が描いていると知っていたのは、河下さんと樋口さんくらいでした。
意外と気づかずにそうだったのか!と思う作品もたくさんありますね。しかも名作といわれる作品ばかりです。
割と最近の作品が多いのは、やはり時代の流れでしょうか。
個人的には、このリストの中ではやはり樋口大輔さんの「ホイッスル!」が一番印象に残っています。この作品は連載中から大好きだったので、将来子どもに見せたい漫画No.1としてコミックスも全巻買いました。
あと、かずはじめさんとか懐かしいですね。『MIND ASSASSIN』とか『明稜帝 梧桐勢十郎』とか。
『MIND ASSASSIN』とか今読んだら全然違う印象を受けるんだろうなぁ。ついついもう一度読みたいなって思ってしまいますね。
あと面白いところでは、リストには入れませんでしたが、『ヒカルの碁』原作のほったゆみさん。これは夫婦共作のペンネームだそうです。基本的なプロットを奥さんが、長編化の為の肉付けを旦那さんが担当し、10話以降は、ほぼ夫婦共作であるそうです。
それにしてもざっと見て思うのは、やはりほとんどのペンネームにおいて、男性っぽい、もしくは中性っぽい名前を使っているんだなということ。
『いちご100%』の河下水希さんのように話がわかりやすいラブコメなんかの場合は、普通に女性の名前を使っているんですけれど、スポーツものなんかはやっぱり男性の名前が多いですね。
おそらく少年誌なので女性っぽい名前で出すよりも、男性っぽい名前の方が受け入れやすいんじゃないかという発想なんでしょうけど、読んでる子どもってそんなに気にしますかね。
ジャンプではないものの、少年誌における女性作家の大御所としては高橋留美子さんがいますが、堂々と女性の名前です。面白ければ誰も気にしないような気がします。
『タッチ』のあだち充さんなんかも、この人は男性ですが、子どものときは中性的な名前だったし、作風が作風だったので、男か女かまったくわかりませんでしたけれど、全然気にしていませんでしたしね。(ちなみに男性ながらも中性的な名前の有名作家といえば他に『聖闘士聖矢』の車田正美さんがいますが、この方は作風が作風なので最初から間違いなく男性だと思っていました。)
なので、もはや女性が女性っぽい名前で作品を描いたとしても、もう誰も気にしないんじゃないでしょうか。むしろ多様性がこれだけ叫ばれる世の中になりましたし、「鬼滅」もこれだけ売れたのですから、男だろうが女だろうか、その人の琴線に触れるいい作品ならそれでいいと思いますしね。
雑誌の中にも、武骨なモノから繊細なモノまで色々な種類のものがあって、その中から自分の好みを選べる選択肢があるということが大事なんだと思います。