「二月の勝者ー絶対合格の教室ー」
著 高瀬志帆
小学生の子どもを持つ親として非常に考えさせられる作品でした。
中学受験が盛んな都市部の学校だと、大抵は半分近く、多いところだと八割、九割方中学受験をする小学校もあるので、もはや一部の人の話だけではないんですよね。
そして、この中学受験こそが教育格差を生んでいると言っても過言ではないので、実は国民の形を作る上で非常に大事になってくるわけです。
まあ、そうは言っても、中学で受験するのもしないのも、あくまで各家庭の自由であって、そこにはメリットもデメリットもあるわけで、子どものことを考えると中学受験を選択するかどうかというのは非常に難しい話になってくるわけです。
本作では様々な勉強の出来る子、出来ない子、また彼ら、彼女らの良心の視点を通して、中学受験とは一体何なのか、それに臨むということは何を意味するのかをとことん追求しています。
実際の中学受験のプロたちをもうなる内容なので、相当取材をして書いているのだなということが非常によく分かりますね。
ああ、確かにこういう子どもも親もいるよね、と何度も思わされました。
単に受験を礼賛するだけでなく、受験を産業として捉えた上でそこに潜む問題点もしっかりと描かれているので、読み物として歯ごたえがあり、ただのエンタメではなく、社会派の作品として世の問われる作品になっています。
受験産業の中で一見怜悧に振る舞っている黒木と、新人ほやほやで様々なことに疑問抱いて苦しむ佐倉の対比が非常に絶妙で、何が正しい選択なのかがわからない中で、とても考えさせられますね。
単に自分の子どもの進路を考えるという意味だけではなく、世の中の在り方を考える上でも一読してもらいたい漫画です。