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弦巻 星之介

「三体X 観想之宙」 著 宝樹

「三体X 観想之宙」 著 宝樹 世界的に大ヒットした「三体」シリーズの公式スピンオフ作品です。 「三体」シリーズの劉慈欣さんが書いたものではなく、そもそもはただの一ファンであった宝樹さんが「三体」が好きすぎてシリーズで語られなかった部分を自らの想像力によって補完した同人誌なんですよね。 ただこのわずか一月ばかりで個人が勝手に書かれたというスピンオフ作品のレベルがすこぶる高い。 瞬く間に注目を浴びた […]

「最強伝説 黒沢」 著 福本伸行

「最強伝説 黒沢」 著 福本伸行 「カイジ」で有名な福本伸行さんの作品ですが、面白いです。 正直個人的には「カイジ」よりもこっちの方が好きです。 読んでいて久しぶりにゲラゲラと笑ってしまうことが何度もありました。 まったく一般的な幸せとはかけ離れた立ち位置にいて、いつの間にかただ年をだけを重ねてしまった冴えない中年、黒沢が主人公なのですが、いわゆる社会の底辺にいるような人物を描きながらも、暗い話に […]

「嘘と正典」 著 小川 哲

「嘘と正典」 著 小川 哲 小川哲さんの短編集ですね。 個人的にとても自分の好みに合ったものを読ませてもらえる好きな作家さんです。 特徴的なのは、SFが基本でありながら、ジャンルを飛び越えて話を作り込んでくる点ですね。 特に歴史に造詣が深く、歴史に関わる話やタイムスリップの話をあの手この手で作って来るので、歴史とSFが大好物としてはたまらない話をいつも読ませてくれるんですよね。歴史改変モノという一 […]

もはや移民を入れることでしか、日本を維持出来ないという現実

「移民獲得競争」に背を向ける日本はスルーされる移民拒否ならそこそこ豊かな生活の保証もない これね。まさにその通りの話なんですよね。 ようするに、少子化を止められない今、日本は移民を入れてこれまでの社会インフラを維持ししていくのか、それとも移民を入れずに国としての規模を大きく下げていくのかの二択を迫られているんです。 個人的には、移民を入れた方がいいと思います。 メリットとデメリットがありますが、メ […]

「氷結時代の終わり」 著 六角光汰

「氷結時代の終わり」  著 六角光汰 六角光汰さんの「太陽系時代の終わり」の姉妹編にあたる小説です。 「太陽系時代の終わり」を読んだ後に、ぜひ続編が読みたいと思っていたところに、姉妹編なら「小説家になろう」で読めるとのことで読んだ本です。 「太陽系時代の終わり」を楽しく読ませてもらった身としては、ああ、この話はこういう話だったのかとパズルがハマっていくようなカタルシスを感じることが出来る一方で、お […]

「1972年からの来訪」 著 黒川甚平

「1972年からの来訪」  著 黒川甚平 不思議な感覚のする話でした。 あさま山荘事件から二十数年後の話なんですが、その頃の学生運動をやっていた人たちが久方ぶりに集まり、そこで過去の記憶を蘇がえさせいくというストーリーです。 失踪事件を交えて、ミステリーとオカルトっぽい雰囲気が混じるような形で進んでいくのですが、そこに学生運動当時のリアリティのある話が差し込まれていくので、読んでいる人間をいい意味 […]

「ブラッドライン」 著 黒澤 伊織

「ブラッドライン」 著 黒澤 伊織 まず様々な国を横断するような形で(戦争を行っている2国は架空の国ですが)、世界の矛盾を浮かび上がらせようという試みが面白かったです。 自分のアイデンティティに近いものを書くのとは異なり、これだけ広い視点でもって話を語るというのはかなり難しいと思いますが、そこを恐れずに敢えて語っていく作者の作家としての姿勢というか、熱意に敬意を評したいですね。 こうしたチャレンジ […]

東電13兆賠償の意味

東電「13兆円」判決が、日本企業を変える…「不正」「低賃金」体質の改善を促す 先日、福島第一原発の自己責任について、当時の東京電力の経営者が合計で13兆円もの賠償判決が出ました。 大抵この手のものは、無罪か有罪であっても大した金額にならないのがこれまでの日本の慣例でしたが、この金額はさすがに驚きましたね。 まあ、ビル・ゲイツやイーロン・マスクでも13兆円なんて払えないので、このままこれ […]

「太陽系時代の終わり」 著 六角光汰

「太陽系時代の終わり」  著 六角光汰 なかなか読み応えのある話でした。面白かったです。 ハードSFではあるんですが、この手の話は、好きな人はどんどんと読み進めちゃいますね。 単純にその世界観を楽しむことが出来ました。 わたし好みの作品です。 何だか読んでいくうちに、いい意味でこれまで読んだSF小説を思い出したので、そういう意味でも楽しかったですね。 レスター少年は、わたしの好きな「時間封鎖」シリ […]

「純血主義」を貫くほど、古臭くなっていく日本企業

増える若者の非正規…「純血主義」を貫く日本企業の正体 日本企業の風土を説明した話ですが、なるほどその通りだと思いますした。 簡単に説明すると、人生のすべてを会社に捧げ(フルコミット)、どんな命令にも絶対に従い(ヒエラルキー)、新卒で若くして入社した純血の人だけが優遇され、よそ者は入りづらい(クローズ)のこの三つの暗黙の了解があり、この三つをクリアした人だけが保護されるという仕組みになっ […]