「アフリカ出身 サコ学長、日本を語る」 著 ウスビ・サコ
「アフリカ出身 サコ学長、日本を語る」 著 ウスビ・サコ 以前からネットなどの記事で見かけ、コロナ禍における日本に対する意見を読んで一目置いている人でした。 アフリカ、マリ出身でありながら、京都精華大学の学長をやっている、日本社会おいてものすごく稀有な人ですね。 他人こそ自分のことをよく知っているという格言がありますが、これは国のこともあてはまります。 日本に住む外国出身の人だからこそ、日本社会に […]
「アフリカ出身 サコ学長、日本を語る」 著 ウスビ・サコ 以前からネットなどの記事で見かけ、コロナ禍における日本に対する意見を読んで一目置いている人でした。 アフリカ、マリ出身でありながら、京都精華大学の学長をやっている、日本社会おいてものすごく稀有な人ですね。 他人こそ自分のことをよく知っているという格言がありますが、これは国のこともあてはまります。 日本に住む外国出身の人だからこそ、日本社会に […]
「うしろめたさの人類学」 著 松村圭一郎 とても考えさせられる本でした。世界を良くするために具体的に何をすればを教えてくれるわけではないのですが、どう考えればいいのかを教えてくれます。 著者はエチオピアを研究する人類学の先生です。構築人類学というものを提唱しているのですが、いまここにある現象が誰かによって構築されたものであるのなら、それを構築し直すことで世の中がよくなるんじゃないかという考え方で […]
「同調圧力 日本社会はなせ息苦しいのか」 著 鴻上尚史 佐藤直樹 やや日本の社会をディスりすぎているような気もしなくもないですが、概ねこの本で言っていることは正しいと思います。 コロナ禍でとても息苦しい思いをした人はたくさんいると思いますが、なぜ息苦しいのかをよく説明してくれている本です。 個人的にも考えていたことをこの本を読んだことによって頭の中でうまく整理出来たような気がします。 特に「社会 […]
「笛吹川」 著 深沢七郎 「楢山節考」を書いた深沢七郎さんの作品です。 なので結構古い作品なのですが、わたしがなぜこの本を読んだのかというと、わたしの父方の先祖と思しき人間がこの小説に出て来るからです。 その名は土屋惣藏。 史実では武田二十四将の一人である土屋昌続の弟であり、信玄が死に、長篠の戦で武田が敗れた後も武田に付き従った武将ということになっています。 この人が有名なのは、武田家最後の家臣 […]
「歪んだ正義 「普通の人」がなぜ過激化するのか」 著 大治朋子 非常に興味深い本でした。 著者は毎日新聞の記者なんですけれど、特派員としてイスラエルや中東地域を取材している人で、休職をしてテルアビブの大学院で危機・トラウマ学を勉強した人です。 組織に属することなく、単独でテロを起こす人(いわゆるローンウルフ)が日常的に多い、パレスチナ・イスラエルの地区において、彼らローンウルフがどうしてテロを行 […]
「ある一生」 著 ローベルト・ゼーターラー 久しぶりに文学を読んだな、っていう気持ちにさせてくれた小説でした。 内容そのものは、あまりに平凡な男の人生を追っているだけの淡々とした物語なのですが、それが妙に引きつけられ、まるで我がごとのような気持になって、彼の人生を追ってしまうんですよね。 この小説を読んでいて、絶えず意識させられるのは時間です。 そもそも一人の人間の一生をテーマにしているのだから […]
「大分断 教育がもたらす新たな階級化社会」 著 エマニュエル・トッド とても興味深い本でした。本の副題通りに教育が新たな階級化社会を生み出してしまっているということを主張している本なのですが、その通りだと思います。 ほとんどの国のエリート校には、莫大な投資とそれなりの文化資本がなければそもそも入学できず、そしてエリート校を卒業した人々が政治経済の中枢を牛耳っている。つまり既得権益を持つ人間たちの […]
「ほとんど想像すらされない奇妙な生き物たちの記録」 著 カスパー・ヘンダーソン 21世紀の幻獣辞典との触れ込みに惹かれて読んだ本ですがとても興味深い本でした。 そもそも幻獣とはまだ生物学が発展しておらず、移動距離もたがが知られていたために、現実と想像とがゴッチャになっている中世において生まれた生物たちのことを言います。分かりやすい例をあげればペガサスとかユニコーンなどと言えば、理解出来ますね。 […]
「東京の下層社会」 著 紀田順一郎 現代の人にとって明治時代と言えば、明治維新から始まり文明開化が進む明るい印象があるかもしれません。 「はいからさんが通る」とか「るろうに剣心」などといった明治時代を扱った漫画作品などにより、どちらかというと新しいことに向かっていくような明るいイメージを持つ人も多いでしょう。 この本はそんな現代人にとって、明治時代とはそんな時代じゃないということをこれでもかとい […]
「悪の脳科学」 著 中野信子 藤子不二雄Aの名作漫画『笑ゥせぇるすまん』。わたしにとっては、子どもの頃にアニメで見て、おなじみの作品です。 あの「ハットリくん」や「怪物くん」を書いた人と同じ人物が、こんなブラックな話を書くとは、と最初に観た時に驚いたことを覚えています。 さて、本書ではこの『笑ゥせぇるすまん』の主人公である喪黒福造に焦点を当て、彼がなぜさまざまな手段を使って人を騙し、破滅に導いて […]