大林組の恥の上塗り 誰のためにガバナンスはあるのか

https://bunshun.jp/articles/-/10945

これは会社としてダメですね。

元々は就職活動中の女子大生を酩酊させたあげくに、同社のリクルーターが不適切な関係を持ち、さらに関係を続けたという話ですが、この話が報道されるや否や、同社のコーポレート・コミュニケーション室が厳重に対処すると発表。誰もが、不適切なリクルーターに厳罰を課すと思いきや、被害者であり、すでに同社に入社していた女性を呼びつけて、まるで彼女が悪いとでもいうような態度で詰問をしたとのこです。

コーポレートを司る部署がこれでは、正直、この会社の倫理観は大丈夫なのかと疑ってしまいます。
これでは、優秀な女子学生は誰も入らなくなってしまいますよ。

リクルーターに、就職の内定云々のことについて権限がないと、だからこそ、これは合意の話なのだといわんばりの態度ですが、こんなことが成り立ってしまえば、それを逆手に取るような輩にとってはやりたい放題の世界になってしまいますよ。

そもそも、就活中の女子学生に、誰に何の権限があるのかなんてわからない話ですし、ずっと年上の男性に威圧的に迫られれば、断れなくなってしまうのは明白です。
おととし、性犯罪に関する刑法が改正されましたが、いわゆる暴行脅迫要件に関しては、変わっていません。
つまり、今のままでは、被害者が怪我でもしない限り、立件されないという話で、直接の暴力を振るわなくても、立場や言葉によって追い詰めて性行為をしてしまえば、加害者は簡単に逃げ切れるという、信じられないようなシステムになっているのが、今の日本の刑法なのです。
社会的に責任があるはずの企業は、こういう不条理に対して、どうにかしていこうと模範になるべき立場であるはずなのに、ガバナンスを監督する部署が率先して、罪を立場の弱い被害者に負わせて、シラを切ろうというのでは本当に先が思いやられます。

今回の件に関しては、文春はいい仕事をしたと思います。
たとえ、大きな企業であろうと、権力を持っていようと、ダメなものはダメだというスタンスで、こういう情報はどんどんと報道してほしいです。