一般企業も真似るべき⁉ 川崎フロンターレがここ数年強いわけ

https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2020/10/21/f/

この記事面白かったです。今年もぶちっぎりでJ1リーグで首位に立っている川崎フロンターレですが、「川崎Fが大卒選手を積極獲得する理由。強化担当が明かす3つのポイント」と題されたサッカーの専門誌の記事なのですが、そのまんま一般の会社の人事採用に使えるような話だなと思いました。
大事なのは、組織が置かれている状況をよく吟味した上で、どうすればより組織をよく出来る人材を中長期的に考えるのか、ということですね。

記事にもあるように川崎フロンターレは、当初はJ1とJ2を行ったり来たりのチームでした。
当然、年代別の代表クラスの目玉選手はなかなか入って来ません。
ただそこで彼らは目玉選手を追いかけるのではなく、長い目で見た時にチームにとってプラスになる人材はどこにいるのか?ということを考えはじめます。
ポイントは長い目で見るというところです。これは正しいと思います。
確かに長い目で見るという話になると、代表クラスの目玉選手を獲得したところで、今の日本サッカーを取り巻く状況を考えると、すぐに海外に移籍してしまうんですよね。
移籍金狙いという発想であるのならそれはそれで正しいのですが、長い目でチームを考えるという点から鑑みると、すぐに海外に行ってしまうような選手をとってもという感じにはなります。
そこで川崎は、大学生に注目するんですよね。
海外では十代から活躍する選手が多く、またサッカー選手の寿命そのものも短いために、大学での選手のプライオリティってそんなに高くないと思うんです。
でも川崎は逆張りをしたんですよね。
リーグが置かれている環境と、自分たちが置かれている環境をよく考えた上で。
そして、大学でしっかりとした人格形成されていて、しっかりとチームに腰を下ろしてくれる人材がほしい、という結論に至ったわけです。
川崎とい東京に近い場所であるからこそ、周りの誘惑に負けない大学生を獲りたいというのは現実的で面白いですね。
そして、そうした考えが土台にある上で、初めてプレーが川崎フロンターレというチームに合っているかとか、練習態度であるとかそういう話になって来るんです。
このこれだと決めた方針に対してブレない姿勢。大事です。これがあったから、これを続けているから、今の強さがあるんだなって思います。

何だかこういう人材獲得の方針を聞くと、サッカーチームも一つの企業なんだなって思いますね。
欲しいなのは、一人のカリスマじゃないんです。長くしっかりと働いてくれる人がたくさん欲しいんです。
そういう人をいかに見極めて、獲得するか。

なぜ中村憲剛が海外に行かなかったのか気になっていましたけれど、こういう組織にあって、組織に求められているものと自分が求めていることがとてもマッチしていたんですね。移籍が多い業界にあって、一つのチームにこういう形でずっと長くいることが出来るのって、選手としてもとても幸せな話だと思います。

それにしても記事でインタビューに答えたのが向島建さんだったので驚きました。Jリーグが始まった頃、小さい体ながらも清水エスパルスで活躍していた姿をよく覚えています。引退後もこうやって違う形でサッカーに携わり、活躍していたんですね。