「歌われなかった海賊へ」 著 逢坂冬馬

「歌われなかった海賊へ」  著 逢坂冬馬 デビュー作の「同志少女よ、敵を撃て!」で一気にスターダムへ駆け上がった逢坂冬馬さんの作品ですね。 舞台は第二次世界大戦末期のドイツで、ナチスに反発する、エーデルヴァイス海賊団を名乗る青年たちを描いています。 エーデルヴァイス海賊団は、ヒトラーユーゲントに対抗するために実在した組織なのですが、各地で様々に現れ、それぞれがそう名乗っていたんですね。 この作品で […]

「成瀬は天下を取りにいく」 著 宮島未奈

「成瀬は天下を取りにいく」 著 宮島未奈 「面白い」の一言で表現出来る作品ですね。 普段読書をしない人にも、どんどんと読み進められる作品だと勧めることが出来ます。 作品の推進力となっているのは、間違いなく主人公である成瀬のキャラの強さでしょう。 主人公のキャラを強くすることは一つの鉄則でありますが、ここまで強いキャラクターと言うのも珍しいですね。 たぶん、読み終わったあとにみんな成瀬が好きになるこ […]

「「現代優生学」の脅威」 著 池田清彦

「「現代優生学」の脅威」 著 池田清彦 優生学といえば、すぐにナチスドイツを思い浮かべる人が多いと思いますが、優生学は遠くギリシア時代からあった思想であり、そもそもはダーウィンの進化論を曲解して、イギリスやアメリカで広く言われるようになった思想です。 プロテスタンティズムの考え方に乗っ取って優れた人間をいかに多く生み出していくのかを考える正の優生学と、障碍者などが生まれることをいかに防ぐかを考える […]

「ダーウィンの呪い」 著 千葉 聡

「ダーウィンの呪い」 著 千葉 聡 ダーウィンといえば、「種の起源」が有名であり、誰もが知っている名前です。 もちろんダーウィンが語っていた進化の話を大抵の大人は知っています。 でも、ちょっとだけ誤解しがちなところがある。 つまりは「適者生存」という言葉。 この本を読むまで、正直わたしも「適者生存」とはダーウィンが使い始めた言葉だと思っていました。 でも実際は、当初の「種の起源」ではそんなことは何 […]

「シン・ゴジラ」

「シン・ゴジラ」 2016/日本 エヴァンゲリオンの庵野秀明さんが総監督を務めた作品ですね。 小さい頃から特撮が大好きだった庵野さんがCGだけに頼らず、昔ながらの特撮を併用することで改めてゴジラを復活させたという点でも面白いです。 庵野さんが満を持して作ったという話題性もありましたが、内容も世相に合っていて面白く、結果的に大ヒットしました。 特撮映画には珍しく、日本アカデミー賞も獲りましたね。 個 […]

「商人の世界史 小さなビジネス革命が世界を変えた」 著 玉木俊明

「商人の世界史 小さなビジネス革命が世界を変えた」  著 玉木俊明 歴史を商人の動きという点でとらえた話です。 こういう視点で観ると、確かに世界の歴史が全然違ったものとして見えてきます。 扱っているのは、古代メソポタミア商人から、フェニキア人、パルティアの商人、イスラームの商人、ソクド商人、イタリア商人、セファルディム、アルメニア商人、ヴァイキング、ハンザ商人などの大航海時代前の話から、オランダ、 […]

「サイコパスの真実」 著 原田隆之

「サイコパスの真実」  著 原田隆之 もはや映画やドラマなど色々なところで口にされ、一般的に知られるようになった「サイコパス」。 ただ多くの人が漠然としてしかこの言葉の意味を知らず、何となく良心なく殺人などの重犯罪を簡単に犯す怖い人という印象だけが独り歩きしているような気がします。 この本では、そんな「サイコパス」について、今現在研究が進んでいるところまでしっかりと説明してくれています。 いわゆる […]

「世界で一番透きとおった物語」 著 杉井光

「世界で一番透きとおった物語」  著 杉井光 わあ、いい意味で何て狂気を感じる物語なんだろうって思いました。 わたし自身が病院に勤めているだけあって、正直、霧子さんと同じところである程度のことは気づいたんです。 でも、まさかそのあとにあれほどまでに予想外のオチがあるとは思いませんでした。 ミステリーにはこういうやり方もあるんだと打ちのめされました。 いやあ、尖がってますね。 間違いなく他の誰もが思 […]

「ゴジラ-1.0」

「ゴジラ-1.0」 2023/日本 同じ山崎貴監督が作った西武遊園地のアトラクションが迫力があって面白かったので、絶対に4DXで観たいと思っていました。 念願かなって4DXで観れたんですが、いやあ、やっぱり迫力があって面白かったですね。 前作「シン・ゴジラ」をはじめ、これまで数多くのゴジラ映画がありましたが、今回わたしがものすごく興味を持ったのはその舞台が終戦直後に設定されている点です。 まさに日 […]

「三人の女」 著 チョ・ソニ

「三人の女」  著 チョ・ソニ これはすさまじい話だった。 間違いなく今年読んだ小説NO.1ですね。 日本に植民地化された朝鮮半島の中で祖国の解放のために共産主義の地下活動を行っていた三人の女性の話です。 実はこの三人の女性は、共産主義者であったこともあって、韓国国内でもほとんど名を知られていなかったそうですが、韓国でこの本が出版されたところ、こんな歴史があったのかと、当の韓国の人たちすら驚くほど […]