NPO法人とは?

まず法律上の権利義務の主体となることが出来るものを「法人」といいます。そして「法人」は、構成員への利益の分配を目的とした「営利法人」(株式会社や合同会社など)と、構成員への利益の分配を目的としない「非営利法人」(NPO法人、公益法人、社団法人、財団法人など)に分けられます。

このうちで、1998年施行の「特定非営利活動促進法(NPO法)」により法人格を認証された民間非営利団体のことをNPO法人といいます。法的には「特定非営利活動法人」といい、我が国の公益活動の主要な担い手となっております。

ようするに、「民間」が行う「非営利」で「公益」を目的とする法人ということですね。法人格を取ることで、社会的な認知を得るにも有効ですし、不動産なども法人名義にすることが出来ます。

設立に当たっては、以下の15の要件を満たさなければいけません。

  1. 主たる活動内容はNPO促進法の20分野のいずれかに該当する特定非営利活動を行うこと
  2. 宗教活動や政治活動を主な目的としないこと
  3. 特定の公職の候補者や団体を推薦、支持、反対をしないこと
  4. 営利を目的としないこと
  5. 特定の政党のために利用しないこと
  6. NPOに関わる事業に支障を生じるほどの収益事業をしないこと
  7. 暴力団もしくはその構成員もしくは暴力団の構成員でなくなってから5年を経過しない者の団体でないこと
  8. 社員(議決権を有する者)の加入や脱退について、不当な条件をつけないこと
  9. 10人以上の社員を有すること
  10. 役員報酬を受ける役員数が役員総数の3分の1以下であること
  11. 役員として理事3名以上、監事1名以上を置くこと
  12. 役員は、NPO法20条に規定する欠落事由に該当しないこと
  13. 役員のうち、親族が3分の1を超えないこと
  14. 理事または監事は、それぞれの定数の3分の2以上いること。設立当初の理事、または監事は、それぞれの定数を満たしていること
  15. 会計は、NPO法27条に規定する会計の原則に従って行うこと。

ちなみに、1.におけるNPO促進法の20分野の活動分野は以下の通りになります。

① 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
② 社会教育の推進を図る活動
③ まちづくりの推進を図る活動
④ 観光の振興を図る活動
⑤ 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
⑥ 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
⑦ 環境の保全を図る活動
⑧ 災害救援活動
⑨ 地域安全活動
⑩ 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
⑪ 国際協力の活動
⑫ 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
⑬ 子どもの健全育成を図る活動
⑭ 情報化社会の発展を図る活動
⑮ 科学技術の振興を図る活動
⑯ 経済活動の活性化を図る活動
⑰ 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
⑱ 消費者の保護を図る活動
⑲ 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡助言又は援助の活動
⑳ 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

つまり活動の内容や組織の在り方が法律で細かく規定されているということですね。事務手続きも大変ですが、ただNPO法人になることで、行政からの事業委託や補助金を受けやすくなり、また税制面でも有利になります。設立する団体の目的や規模に合わせる形で法人化をするべきかどうかを検討した方がよさそうですね。