排除型社会 後期近代における犯罪・雇用・差異

排除型社会 後期近代における犯罪・雇用・差異
ジョック・ヤング著
 

なぜ格差が広がり、今に生きる人たちの大部分は、こうも常に何かに急き立てられるかのような不安を感じて生きているのでしょうか?

この本は言い知れぬそんな現代人の気持ちを、排除型社会という言葉をキーワードにずばりと説明してくれます。

具体的には、労働市場からの経済的排除、人々の間で起こる社会的排除、そして犯罪予防における排除的活動が、少し前の時代の安定的で同質的な包摂型社会と比較して語られるわけなんですが、これがこの時代を生きるぼくたちには、ものすごく実感として納得させられる話なんですよね。

なぜ自分ばかりが損をしているのか? なぜ人生が思うように上手く行かないのか?

そんな気持ちを少しでも抱いている人には、そんな気持ちになぜ陥ってしまうのかを相対的剥奪感という言葉でしっかりと説明してくれるので、ピッタリな本かもしれません。

この社会にあわせて生きていくしかない……と諦めてはいけない。

この本のキャッチコピーで書かれたこの言葉の通りに、この本はこれから社会が取り組まなければいけない課題も提示しています。

この社会に一体何が起こっているのか。世の中を少しでも良くしたいと思っている人には、まずはそれを知ることが大事だと思うので、ぜひ読んでもらいたいです。