隷属なき道
ルドガー・ブレグマン著
ベーシックインカムが成り立つことを、様々なデータから裏付けした非常に興味深い本です。
ベーシックインカムという名前自体は、日本でも維新の会などが実現に向けて検討していたので、聞いたことがある程度の人は結構いると思いますが、ようするに福祉を全部なくしてその代りに全国民にまとまったお金を与えるというシステムですね。
ただそのやり方だけを聞くと、働かずに怠ける人が増えるんじゃないかとか、そもそもまとまったお金とはいくらくれるんだとか、色々な疑問が湧いてきますが、この本ではその辺りのことを踏まえた上で、丁寧にデータを掲示しながらそれが可能であるということを、そしてベーシックインカムこそが、AI化への恐怖と格差社会を解消させる解決方法であることを訴えています。
ベーシックインカムに対して、賛成、反対はさておいで、ベーシックインカムというのはどういうものであるのか、またそれを政策として行うとどんな世の中になるかもしれないのか、そういったことを知りたいと思った人にはぜひともお薦めしたい本です。
うまくやれば、本当にうまくやれちゃうんじゃないかと、思わずそう思わせてしまうほどの熱意がこの本にはありますね。