NHKのスクランブル放送化に賛成している人へ

NHKから国民を守る党が議席を獲得したために、NHKのスクランブル放送化に注目が集まっていますが、個人的には絶対に反対です。
理由は簡単です。NHKは日本唯一の公共放送であり、スクランブル放送化されれば、公共放送としての役割を果たせなくなる可能性が出て来るからです。

N国党は、福祉や教育に関する報道にはスクランブルをかけないと言っていますが、ちょっと考えてみてください。
スクランブル放送化されれば、間違いなくNHKの収入が減ります。
この時点で、NHKも民間と同じく、視聴率を追わなければ、収入は減る一方になってしまい、NHKとしても社員を食べさせていかなければいけないので、今以上に大衆にとってポピュラーで人気が出るものを作らざるを得なくなってきます。
そうすれば、結局視聴率が獲れない福祉や教育、文化などの放送が消えていき、民放と何ら変わらなくなります。
ようするに、日本から公共放送が実施的に消え、バラエティやワイドショーばかりになるわけですね。

しかも、NHK自体にお金が無くなるので、たとえばオリンピックやサッカーワールドカップなどの放映権も買えなくなるので、それらの放送も今よりもかなり削られるようになるでしょう。
結局ダゾーンとかでお金を払ってみるしかなくなるわけですね。

自分が見ないから受信料を払いたくない。それだけの理由で、N国党に投票するのは本当に止めてほしいです。
自分が見なくても、放送されるべきものがこの世の中には存在していること、いずれ自分もそれが必要になるかもしれないということをN国党に投票した人には本当に考えてほしいです。
わたし個人のこと言えば、結婚して子供が出来るまで、Eテレはほとんど見ませんでした。でも、今はEテレはなくてはならないものとなっています。おそらく小さな子供を持つ人たちの多くはそう思っているでしょう。

目立つようなパフォーマンスに煽られて、投票先を考えないでください。
どこに投票しようが自由ですが、本当に自分の一票が社会のためになるのかどうかをよく考えてから投票をしてください。

マツコ・デラックスさんへの執着を見て、N国党の立花代表がどんな人間なのか気づいた人が多いと思います。
あれはただの炎上商法にほかならず、国会議員がするべきことではありません。
それでも、N国党に投票をしたければ、止める手立てはありませんが、投票をしたということは、事実上、自分がその党がすることに手を貸しているということをよく考えてください。

NHKをある程度改革する必要はあるのかもしれません。
でも、だからといって、いきなりスクランブル放送化をすることを前提に話を進めるのことには違和感しか覚えず、正直意味が分かりません。
さらにスクランブル放送化をいかなる手段を使ってでも、力づくでしようとするスタンスには、もはや立花代表の支配欲しか感じないのです。
まあ、気に食わない人、自分に批判的な人を徹底的に執着して黙らせるという手法とっている時点で、この人が社会のために何かをしようというのをまったく感じることが出来なのですが、ね。

地震や津波などの災害時に公共放送が存在しているということがどれだけ大事なのか、本当にそれだけでもよく考えてください。

あなたが受診料を払いたくない。
問題は、そんなちっちゃな話ではないんです。
それによって、失われるものの大きさを知って下さい。