楽天、西巻選手の戦力外は妥当か?

プロ野球の楽天ゴールデンイーグルスの西巻賢二選手が戦力外を言い渡され、育成での再契約を求められていることが物議を醸しだしています。
選手が支配下登録での戦力外を言い渡され、育成再契約と言うのは楽天に限らずよくあることなのですが、問題は西巻選手がまだ高卒二年目の選手で、しかも地元仙台育英高校の出身であることから、いくらなんでも早過ぎるんじゃないかという声が多く聞こえています。
確かに、高卒二年目で、しかも地元選手が戦力外になるなど聞いたことがありません。
素行が悪いとか、そういう話なら分かりますが、そんな話はどこにも聞かれず、しかも西巻選手は、同世代の他のチームの選手と比べても一軍の試合にもそこそこ出ています。ドラフト直後の宣告であることから、おそらくドラフトで似たような選手で、西巻選手よりもより有望な選手を取ったからの措置であることは簡単に想像出来ますが、本当にそれでいいのかとういう疑問はやっぱり思っちゃいますね。
もちろん、プロの興行であり、実力主義を標榜するのなら、球団の決定はそれはそれでアリなのかもしれません。
ただ、単純にデータや優劣を前面に出し、選手が人であることを忘れて、まるで将棋の駒のようにいるいらないを決めてしまうのは、デメリットもあると思うんですよね。
すぐに首になるなら、出身校としては楽天に選手を入れたくなるでしょうし、しかもそれが地元となるとね。
何だか、近年の高額でのFA選手の獲得や、監督の不可解な解任劇など、最近の楽天は、何だかダークなイメージがつきつつあります。
もちろん、勝てば官軍で、それが正しいということになるのでしょうが、果たしてそれでいいのですかね。
まあ、楽天のこの手の話は、実は今に始まったわけではなく、昔からオーナーがオーダーを決めているとか、監督が楽天本社の操り人形になっているとか、色んな噂があります。昔ながらの球団経営ではなく、IT会社ならではの経営を標榜しているのでしょうが、ね。個人的には、何か大切なものが抜け落ちてしまっていると思うんですよね。
確かに、勝負ごとにデータは大事です。でも、それをやるのは人間ですし、それを見るのも人間です。データ通りにやって、データ通りに勝つ。果たしてそれは本当に面白いのでしょうか? みんなはそれをこぞって見ようと思うのでしょうか? イチロー選手が引退の際に遠回しに言っていましたが、メジャーも今やデータばかりが先んじている風潮が強いです。楽天としては、新しいことを先んじてやっているつもりなんでしょうがね。
2013年に楽天が優勝したのは、これまで聞いたこともない田中将大投手の24連勝という途方もない記録があったからこそです。
そして、チームを指揮していたのは、人情味あふれる星野監督が選手を引き付けてまとめていたからです。

石井GMがGM職についてから、どんどんと変わっていく楽天ですが、今のIT路線で来シーズン果たして結果を出せるのか、そう言う意味でも注目ですね。