会社で働いて稼いでくる人間が一番偉いというわけではないという事実

「会社にしがみつく男性」を蝕む大きな勘違い

会社にしがみつく男、会社しかない男……何だか年をとればとるほど感覚的に良く分かってきますね。
大企業に正社員でいた人ほどこうした勘違いな人になっていき、リストラをされたり定年退職をしたりしたところで、自分自身が何をしていいのかまったくわからなくなってしまうんでしょうね。

問題は、間違いなく会社の正社員であることが一番大事で偉いんだという誤った社会意識です。
働くこと自体を否定しているのではありません。
働くということは、会社で身を粉にして働くことだけではありません。
家事をすることも子育てをすることも地域社会に貢献することも働くことです。
確かに後者はお金にはならないかもしれませんが、だからといってお金を得る仕事よりも下ということはないんです。
お金を得ることが一番だという意識そのものが本当におかしいんですね。
考えてみてください。
いくら会社でお金を稼いで帰ってきたといしても、家が滅茶苦茶で、子どもは非行に走り、地域の誰も助けてくれないといった状況だったら、何のために生きているのかわからないですよ。
生きていくために働いてお金を稼ぐことは大事です。
でも、それ以外のことが大事でななく、働くことでそれ以外のことが見えなくなってしまうというのはまったく本末転倒です。
でも、世の中がそうなんだからしょうがない。
そう思う人はたくさんいるでしょう。
でも、それはそう思わせる世の中の方が間違っていて、お金を稼いで生きることと等しく、家や地域の人との関係を深めていくことも大事なのです。
そして定年退職をしてからそのことに気がついても遅いんです。
会社で働いて稼いできたという過去しかなければ、それがなくなってしまえば、本当に何もなくなってしまうのですから。

自分を肯定するために偉ぶっても、そのときは満足できるかもしれませんが、ただそれだけです。
たとえお金になっていなくても、誰かのために働いている人に敬意を払う。
そうした行動の積み重ねこそが、結局最後に自分を救ってくれるんですね。