「意味のない慣習」にNO!ダルビッシュ有選手の提言に大賛成。もっと言ってほしい。

「結局大人の自己満足でしかない」 ダルビッシュ、少年野球の「意味のない慣習」をバッサリ

少年野球や高校野球に今も残る意味のない慣習についてメジャーリーガーのダルビッシュ有選手がすぐに止めるべきだと言っています。
これはまさしくこの通りで、ダルビッシュ選手だけでなく、影響力がある人にはもっと言ってほしいです。

わたしは小学生のときは少年野球、中学の時はバスケ部と運動部を多少なりとも経験しましたが、野球に限らず日本の少年スポーツに今尚残る不文律の多くは意味がないです。
どんな先輩の言うことも聞かなくてはいけないとか、水を飲んじゃいけないとか、どれも非科学的な上に時代錯誤なルールばかりなんですよね。
こうしたいわゆる体育会系の感覚が間違いなく今の日本をダメにしていると言っても過言じゃないと思います。

おそらくこうした体育会系の上下関係の不文律を擁護することは、礼儀を学ばせる必要があるとかチームワークを作るために必要だとか何とか言うでしょう。
でもそれはハッキリと違うと言い切ることが出来ます。こうした上下関係の不文律は、そもそも戦時中に確立したものです。
それが戦後も脈々と受け継がれてきた。それはなぜかと言うと、支配する側にとって都合がいいシステムだったからです。
まず指導者の立場からすれば、ああだこうだと多様性を認めてみんな仲良くやるよりも、とにかく能力がある奴や上級生を優遇して使った方が管理がしやすく、結果がだしやすいです。
また上級生からしてみても、自分たちは下級生の時に我慢したんだから、上級生になったら今度は自分たちが好き勝手にやる番だと、不文律を使って威張ることがまるで既得権であるかのような振る舞いをします。
ようするに無意味な決まりを作って力でまとめるということは、礼儀やチームワークとは関係なく、あくまで立場が強い者が他の者を支配しやすくするための方便に過ぎないのです。

しかもその方便が少年スポーツだけじゃなく、社会のあちこちでまるでそれが正しいと言わんばかりの空気で多用されていることにさらなる問題があります。
就職活動を経験したことがある人は思い返してください。多くの一般企業では、学業の成績よりも体育会系の部活に入っていたかどうかが採用の大きな決め手になります。
それは会社組織そのものが猛烈な縦社会であり、その不条理なまでの縦社会に対して体育会系の出身の子の方が順応性が高いと思われているから採用されるのです。
そしてこれまでは、そうやって縦社会で文句を言わずにとにかく長時間労働をすることでどうにかこの社会は成果を出してきました。
でも、今や世界は、高度なIT化の末に、あらゆる情報が瞬時に行き交っているようになりました。そしてそのような社会では、いつまでも縦社会の拘束にこだわった強引なやり方はまるで通用せず、むしろ多様性が損なわれて新しいモノが生まれることを阻んでしまいます。
その結果、その悪循環は人々から活力を奪い、生産性を著しく下げてしまっています。もはや不条理なルールを使って軍隊方式の縦社会を作り上げ、それでもって社会の繁栄を築くというやり方は時代遅れもいいところであるし、そもそもヒエラルキーの上部に立てる一部の人のためのやり方に過ぎないことが明らかになりつつあるといっても過言ではないのです。

何度でもいいまずが、少年スポーツにおいて支配のための不文律を作り上げることは、百飼あって一理もありません。
多くの人が内心すでにそのことに気がついているはずです。
ダルビッシュ選手だけでなく、これまでも巨人で活躍した桑田真澄さんなども同じようなことを言っています。
だんだんと意識は変わってきているかもしれませんが、早くおかしな不文律については、NOをハッキリと言える世の中になってほしいですね。

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