マウリポリやブチャのニュースを見ていると、何だか本当に理性を失った人間の恐ろしさを思い知らされて落ち込みますね。
ウクライナ情勢において、一刻も早く収束し、平和が戻ることを願ってやみません。
さて、状況が刻々と変化する中で、日本でも連日のようにウクライナのニュースが流れていますが、先日、NHKスペシャルでウクライナ人の若いカップルの会話を訊いていて、実はちょっと気になることを感じてしまいました。
29歳の留学先のアメリカからウクライナ人に戻ってきて、支援物資を届ける活動をする男性とその彼女の会話なのですが、まず29歳の男性が自分はあと1年生きられるかどうか弱音を呟きます。
そんな彼に対して女性は、「あなたは55歳まで生きられるから大丈夫」と励ますのですが、男性は「じゃあ、56歳までは生きられな?」と言って、話を蒸し返し、結局女性がウンザリして重苦しい沈黙が起きるというシーンでした。
何げない会話ではあるのですが、よくよく聞いてみると、日本人として引っかかってしまう場所があります。
それは、女性が男性に対して「55歳まで生きるから大丈夫」と励ましている点です。
これは、つまりウクライナでは55歳という年齢が結構長く生きた年齢として認識されているということなんですよね。
ちなみにウクライナ人男性の平均寿命は68歳、日本人男性は81歳ですから、13歳違います。
たぶん、多くの健康な日本人って、70代から80代くらいまで生きるのが当たり前のイメージで生きているんですよね。
でも、ウクライナ人は、それが若くて50代で、せいぜい行って70代っていうイメージなんだと思います。
だいたい感覚的に15年前後の差があるんでしょうけれど、人生を生きるに当たってこのイメージの差は大きいです。
やはり日本人の方が長い分、それだけゆったりと人生プランを考えてしまうんでしょうね。
日本人からすると、当たり前の感覚なんですが、世界を見てみると、ウクライナ人の感覚の方が当たり前の感覚に近いと思います。
いかに日本人が平和の中で生きていて、人生を長く考えて生きられるのかがわかりますね。
昨今、日本人が貧しくなったというニュースがよく流れますが、それでも日本人は国民皆保険のもとに比較的安価に誰もが高度な医療を受けられますし、社会保障制度も北欧諸国などには劣りますが、それなりに受けることが出来ています。
つまり、まだまだ長い寿命を維持出来るだけの豊かさを持っているということなんですね。
これまでそんなことに気づくこともなく、生活をしてこられているというのは、実はかなり幸せなことなんですよね。