「タバコを吸う演技に頼る役者はダメ」は、実は一般人にも当てはまる。

渡辺徹、「タバコ吸う芝居覚えるな」と言われていた理由

いわゆる役者論の一つですれど、これは一般的な感覚から言ってもよくわかる話ですね。
つまり演じながらタバコを吸っていると、タバコを吸うという行為に演技者が頼ってしまい、演技力が向上しないという話です。

これままず役者論からいってもその通りだと思います。
タバコを吸う行為って言うのは、昔は何となくキマッて見えるから、ついついアドリブとかでも多用しがちなんですよね。
間が出来たら、とにかくタバコを吸う、みたいな。
でも、確かに引き出しがそれしかなければ、役者としての奥行きがなくなってしまい、役者として薄い存在になってしまう可能性が高くなってしまいます。
タバコを吸うという演技そのものを全否定するわけではなく、誰でもがそれなりに様になってしまうやり方ゆえに、それに頼ることなくやっていける本物の演技力を身につけろという話ですね。

そして、この話は実は役者だけに限った話ではないんですよね。
大学生の時に、周囲がみんなタバコを吸っていて、なぜタバコを吸うのかを聞いて周ったことがあります。
出てきた答えの大半は、「間が持たないから」。

つまりみんな集まっている時に、会話に詰まるのがイヤで、そういうときに間を持たせるためにタバコというツールを使っているのだそうです。
もちろん、中毒というのはあると思いますが、タバコを吸う人は、多かれ少なかれ、何となくタバコを吸うという行為でその場を空気になじむように誤魔化しているフシはありますよね……。
若いときからタバコを吸ってカッコつけるという誤魔化しかたよりも、会話力をキチンを磨くことを努力した方が、その後の人生が遥かに豊かになった気がするのですが……。