SDGsの達成度ランキングで、日本は昨年の18位から19位に順位を下げたそうです。
163ヵ国中の19位であり、また上位18位までが欧州勢が占めたことを考えると、一見いいように思えますが、ただ国の規模から考えると、この数字はやはり寂しいように思われます。
ポイントは、日本の場合、満遍なくどれもそこそこ達成しているというのではなく、とても良く達成している目標と、まったく達成されていない目標があり、二極化しているという点です。
問題は明らかに、極めて評価が低い最低評価が6つもあるというところなんですよね。
ちなみに日本が最低評価を受けているのは、
・「ジェンダー平等」(目標5)
・「つくる責任、使う責任」(目標12)・
・「気候変動対策」(目標13)
・「海の環境保全」(目標14)
・「陸の環境保全」(目標15)
・「パートナーシップ推進」(目標17)
の6つです。
資源が少ない国である以上、気候変動対策などをどうにかすることは欧州などと比べて難しいというのはわかりますけれど、やはりまだまだ環境意識は欧州と比べて低いんですよね。
少しずつは変わってきていると思うのですが、世界からしてみれば、もっと積極的に世界をリードする立場になってほしいということなのでしょう。
アメリカほどじゃありませんが、それでも消費の規模が必要以上に大きいのは、目に見えてそうですからね。
環境問題もそうですが、個人的には「ジェンダー平等」と「パートナーシップ推進」の二つの評価が低いということも現在の日本のダメな部分をよく表しているような気がします。
ようするにどっちも既得権を持つ人たちが自分たちの閉鎖的な世界を守ろうという意識から生まれてきているものなんですよね。
気候変動問題のような大きな話と違って、この二つに関しては、その気になって社会制度や国民の意識改革を進めて行けば、すぐに達成できる目標のはずです。
もう何年もここについては言われ続けているのに、改善が進まないというのは、間違いなくそれを改善したくない人たちがいるということなんですよね。
少子高齢化が進み、経済規模がどんどんと縮小してしまって、賃金までもが下がっている閉塞的な現状において、この二つについての改善はもはや必須であることは自明なんですけれどもね。
社会というか、企業の意識が変わっていないということなんでしょう。
自分たちだけが割を食わないように、うまく物事を改善することなんて出来ません。
いい方向に変化をするためには、嫌でも誰もが意識を変えていく必要があります。
自分たちの経験論によって、自分の尊厳だけを守って誤魔化し続けても、何も変わらないどころか、事態は悪化しているばかりなんです。
そのことに気づく経営者が増えていくといいのですが、そのためにはやはりしつこく声を上げていくしかないんですよね。