「三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE 1968.12.10」 著 渡辺潤

未だ解決されていない三億円事件をモチーフにした作品ですね。

三億円事件を扱っているというだけで非常に興味深い話ですが、よくぞここまで話を広げたなとその想像力に驚きました。

話も実際に事件が起きた東京・府中をはじめ、長崎の軍艦島や沖縄、北海道と日本各地に飛ぶのでとても楽しむことが出来ましたね。

本当にあった事件をネタにしているだけに、話に現実感があって、食い入るように一気に読み進めることが出来ました。

親子関係というか相関図がかなり複雑がそれが話の線となっているのですが、最後まで謎が謎を呼ぶような形で構成されていたので面白かったです。

キャラクター立っていましたね。特に関口兄弟の弟とかホントに怖かったですね。

ただ主人公の大和と途中からキーパーソンとなる夏美が何をしたいのかがイマイチ伝わらず、大和の最後の行動も理解しかねた点が少し残念だったかな。

軍艦島というネタももう少し掘り下げてほしかったなとも思いました。