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弦巻 星之介

「絶唱」 著 湊かなえ

「絶唱」  著 湊かなえ 湊かなえさんの阪神淡路大震災の記憶を軸に描かれた作品ですが、それまでの作品と印象がかなり違うのでかなり驚きました。 四本立てで最後の章がおそらく作者の実体験に基づいた私小説に近いものかと思われますが、その経験で感じたことが動機づけとなり、見事に一つの作品として仕立て上げているのですね。 震災での経験があったからこそ、この人は作家になったのかなと、この作家さんの原点を描いて […]

「探偵はbarにいる3」

「探偵はbarにいる3」 2017/日本 人気シリーズの第三弾ですね。 このシリーズを見ていつも思うのは、役者のキャラが立つことの重要性です。 話の内容としてはいつも似たような感じなのだけれど、メインの登場人物である探偵と高田のキャラが立っているから必ず面白い。 この人たちはこういう状況でこんなことを言うんだろうなと想像範囲内でも、やっぱり画面で見るとクスッと笑ってしまうんですよね。 原作を読んで […]

「ニムロッド」 著 上田岳弘

「ニムロッド」 著 上田岳弘 芥川賞受賞作ですね。 サーバーをメンテナンスする仕事をしながら、ビットコインを掘る仕事をするように社長に命じられたぼく(中本哲史)を主人公にした話です。 書評を見てもいい意味で芥川賞受賞らしく、称賛する声となんだかよくわからないという声に二分されています。 まあ、確かに物語に人の情感によるカタルシスを求める人には、この作品は取っつき悪いものとして映るでしょうね。 これ […]

「その名を暴け ♯Me Tooに火をつけたジャーナリストたちの闘い」 著 ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー

「その名を暴け ♯Me Tooに火をつけたジャーナリストたちの闘い」  著 ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー 映画界の大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる数々の性的暴行を暴いていったニューヨークタイムズの記者たちのドキュメンタリーですね。 ニューヨークタイムズのこの一連の話が世界中で♯Me too運動が生まれるキッカケを作ったのは記憶に新しいですね。 タイムズはこれでピ […]

大阪維新型のベーシックインカムを考える

ベーシックインカムとはようするに国民全員に一定の金額を給付することをもって、一部の社会保障と一体化させるという話です。 実は欧米では70年代くらいから議論されている話で、最近も結構いろんな場所で実証実験が行われているんですよね。 その結果、皆がイメージするような、「みんな働かなくなるんじゃないか」という事態はほとんど起きないということがわかってきて、むしろこの制度を実現した方が行政の無駄が省けてい […]

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」

新劇場版の第一作ですね。 序と銘打ってあるように碇シンジが登場するところから始まり、ヤシマ作戦の終わりまでが描かれていますが、概ねここまではテレビ版とほぼ同じ流れですね。 テレビ版も最初の頃はそこまで時間に追われずに作られているのがわかるので完成度がそもそも高く、新劇場版になってもそこまで変える必要がなかったということでしょう。 久しぶりに今回序を観直してみたのですが、自分が少し歳をとったからなの […]

中国における「国民」と「人民」の違い

国民は人民の敵!「中国流民主主義」の危険性独自の定義が人権弾圧や拘束の正当化根拠に なかなか興味深い記事でした。記事の中で中国における「国民」と「人民」の違いを述べているのですが、確かにこれを知ることで現代における中国という国の本質が見えてくるような気がします。 記事によると、中国において「国民」が意味するところは、要するに中国に住む人のことです。広い意味で日本人が使う「国民」という言葉とそんなに […]

カシオ社長のパワハラにみる同族経営の問題

音声入手! 社長の「陰湿パワハラ問題」で揺れるCASIOの内実 カシオの社長のパワハラの話ですね。それにしてもパワハラ・セクハラのニュースが多いですね。急に増えたのではなく、それまで隠されていたことが明るみに出るようになったのでしょう。社会的にダメだということが認識されていくためにも、声を上げられる人は、間違っていないのでどんどんと声を上げてほしいですね。次の世代のためにも出来る限り膿を出していっ […]

誰がために公園はある?

高齢者のクレームで公園から子供が消える「歪な環境問題」への危惧 公園の在り方が世代間闘争の場になっているという話ですね。 この記事で言及されている公園では、老人たちがほとんどを占める自治会が近隣の老人たちに迷惑だから公園で子どもたちに騒がしくするなと貼り紙をし、その結果子どもたちが公園で遊びづらくなり、そのうちにほとんど子どもたちを見かけなくなってしまったという話です。 子育て世代の親たちが自治体 […]

ニチイ学館の外国人雇い止めに思う、人権感覚の希薄性

【独自】ニチイ、フィリピン女性寮を抜き打ち調査 下着など撮影、人員削減狙いか これはひどいなぁ。 内閣府の国家戦略特区で家事支援従事者として就労を認められて、来日していたフィリピン人女性206人が、雇い止めや自己都合退職により、大手医療介護人材派遣会社「ニチイ学館」から契約更新されなかったそうです。 しかもそのうち48人の所在が把握できていないとのことです。 高齢者の介護や家庭の掃除など家事支援の […]