「アラバスター」 著 手塚治虫
手塚治虫大先生の隠れた名著ですね。 「差別」というテーマをここまで露骨に取り上げている作品も非常に珍しいと思います。 まず設定として、黒人の人気オリンピックだった主人公が白人の女性に振られた挙句犯罪者となり、その復讐のために透明人間になろうとするというのがすごいですね。 しかも失敗して、皮膚が透けて見えるグロテスクな見た目になってしまうという、この設定だけで手塚先生のすごみがわかります。 表題のア […]
手塚治虫大先生の隠れた名著ですね。 「差別」というテーマをここまで露骨に取り上げている作品も非常に珍しいと思います。 まず設定として、黒人の人気オリンピックだった主人公が白人の女性に振られた挙句犯罪者となり、その復讐のために透明人間になろうとするというのがすごいですね。 しかも失敗して、皮膚が透けて見えるグロテスクな見た目になってしまうという、この設定だけで手塚先生のすごみがわかります。 表題のア […]
未だ解決されていない三億円事件をモチーフにした作品ですね。 三億円事件を扱っているというだけで非常に興味深い話ですが、よくぞここまで話を広げたなとその想像力に驚きました。 話も実際に事件が起きた東京・府中をはじめ、長崎の軍艦島や沖縄、北海道と日本各地に飛ぶのでとても楽しむことが出来ましたね。 本当にあった事件をネタにしているだけに、話に現実感があって、食い入るように一気に読み進めることが出来ました […]
「DEATH NOTE」 原作 大場つぐみ・作画 小畑健 わずか2年ほどの連載期間にも関わらず、与えたインパクトの大きさを考えれば、もはや伝説と言っていい作品だと思います。 名前を書き込むとその人物が死んでしまう死神のノート。 それを非常に頭が切れる人間が拾って使用したらどうなるか? 文字に変えればそれだけのワンアイデアをミステリーとして面白いということだけじゃなく、テーマ性にも優れたものとして仕 […]
「会長島耕作 著 弘兼憲史 島耕作がついに会長になりましたね。 この一連の物語でよいところは、島耕作が出世していくにあたって、その時々の役職の人がどのような仕事をしているのか、想像することが出来ることです。 まあ、普通に生きていたら課長か、せいぜい部長ぐらいの人が何をやっているのかは想像出来ますが、その先となると偉そうにしているぐらいしかわかりません。 それが会長なんて存在になると、まったく想像 […]
「GANTZ」 著 奥浩哉 いやあ、これは面白かった。 最初は、主人公にどうにも感情移入が出来ず、どうしたものかなと思ったんですけど、主人公が劇的に変わっていくことの伏線だったんですね。 最初と最後でこれだけ印象が変わる主人公というのは珍しいです。 それにしてもまずこの作品は、アイデアが秀逸です。 死んだと思いきや、わけのわからない部屋にいて、わけのわからない戦いを強いられる。 そのわけのわから […]
「ラフ」 著 あだち充 「タッチ」や「H2」などが有名なあだち充さんの話ですが、この作品はなかなか隠れた名作だと思います。 野球ではなく、水泳を題材にしていますが、あだちさんらしく、ラブコメが主題なので、背景として描かれているスポーツが野球だろうが水泳だろうがあまり変わりはありません。 この作品が数あるあだち作品の中でも特徴的なのは、主人公とヒロインが険悪なところからスタートするという点です。 「 […]
「社長島耕作」 著 弘兼 憲史 ついに島耕作が社長になったわけですが、さすがに日本を代表する企業の社長ともなると話がワールドワイドになってきますね。 連載当時の世界情勢などを鑑みながら話が進んでいくのでそれはそれで面白いのですが、登場人物の意志とは関係のない、つまり一人の人間の力ではどうにもならないところで話がまとまってしまうところがあるので、ドラマツルギーとしてはどうしても課長・部長時代などと比 […]
「ヴィンランド・サガ」 著 幸村誠 「プラテネス」で有名になった幸村誠さんの作品ですが、これは間違いなく名作ですね。 正直、「プラテネス」よりいいです。 ここ何年かで読んだマンガの中で一番いいんじゃないかな。 まずネタバレを含みますので、読んだ人のみ先を読んでいただければと思います。 さて、舞台が日本人にはなかなか馴染みのない、中世以前のヨーロッパで、しかも略奪・狼藉を働くバイキングを題材にしてい […]
「部長島耕作」 著 弘兼憲史 課長だった島耕作が部長に昇格したあとの話です。 シリーズの第二弾ですね。 個人的には、「課長」よりも「部長」シリーズの方が面白かったです。 たぶん、それは「課長」の時の時代背景がバブルの時代で、今のわたしたちの感覚からするとどうしても違和感を覚えてしまうんですよね。 漫画が面白くない訳じゃないんです。 漫画は面白かったんですが、どうしても読んでいてジェネレーションギ […]
「課長島耕作」 著 弘兼憲史 名前は当然知っていたけど、ちゃんと読んだことがなかった漫画でした。 30年前の作品ですが、ずっとシリーズが続いているだけあって読ませますね。 作品の節々に作者の弘兼さんがしっかりと様々なことを調べ上げてから描いているので、この時代の大企業のサラリーマンをリアリティーある描写でもって表現していると思います。 単純に漫画としての面白さとともに、その時代背景を後世から読み […]