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厳選漫画批評

「亜人」 著 桜井画門

「亜人」  著 桜井画門 すこぶる面白かったです。 まずそもそもの発想がいい。 何度死んでも生き返る亜人と呼ばれる人たちが中心に描かれているのですが、これはゲームのキャラクターを彷彿とさせますね。 劇中でパックマンが出てきますが、ようは何度死んでもお金を入れ続ければ何度も生き返るんです。 不死身か不死身に近いキャラクターはこれまでもいたとは思いますが、ただ不死身なのではなく、「何度でも生き返る」と […]

「MAJOR」 著 満田拓也

「MAJOR」 著 満田拓也 野球漫画の金字塔に達した作品の一つですね。 これでもかと降りかかってくる難局に対して、抗おうと努力して後、メジャーリーガーなっていくというわかりやすいストーリーなのですが、わかりやすい主人公像とわかりやすいストーリー展開であるがゆえに、がっつりと感情移入が出来る作品です。 この作品は少年サンデーで掲載されたものなんですけれど、面白いのは同じ野球漫画でも、少年ジャンプで […]

「劇画 ヒットラー」 著 水木しげる

「劇画 ヒットラー」  著 水木しげる 「ゲゲゲの鬼太郎」で有名なレジェンド、水木しげる先生の隠れた名作ですね。 ヒットラーを題材にした海外の作品は多いのですが、こうやってヒットラーの生涯を描いた作品って実はすごく少ないんですよね。 確かに、子どもたちが読むような伝記の題材には、偉人扱いが出来るわけがないので難しいですしね。 ただ個人的には、なぜヒットラーがあのような独裁者になっていったのか、若い […]

「北斗の拳」 著 武論尊(原作)、原哲夫(作画)

「北斗の拳」  著 武論尊(原作)、原哲夫(作画) 80年代に一世風靡したジャンプ漫画の一角ですね。 「お前もう死んでいる」のフレーズを知っている人も多いと思います。 久しぶりに再読しましたが、やはり面白い。 特にラオウと決着がつくあたりまでは一気に読めますね。 さて、改めて読んでみて不思議と思い出したのが、同じジャンプコミックスの「鬼滅の刃」。 「鬼滅」がブームになったとき、良く言われていたのが […]

「新黒沢 最強伝説」 著 福本伸行

「新黒沢 最強伝説」  著 福本伸行 「最強伝説 黒沢」の続編ですね。 前作が主人公の黒沢の死が連想される中で終わるのですが、本作では昏睡状態であった黒沢が8年間の眠りから覚めるところで始まります。 そもそも前作がギャグマンガでありながら、読んでいるうちにどこか哲学的は話になっていく不思議な作品ですが、その傾向は本作でも受け継がれています。 前作で黒沢そのものが半ば悟りを開くような形で終わっている […]

「最強伝説 黒沢」 著 福本伸行

「最強伝説 黒沢」 著 福本伸行 「カイジ」で有名な福本伸行さんの作品ですが、面白いです。 正直個人的には「カイジ」よりもこっちの方が好きです。 読んでいて久しぶりにゲラゲラと笑ってしまうことが何度もありました。 まったく一般的な幸せとはかけ離れた立ち位置にいて、いつの間にかただ年をだけを重ねてしまった冴えない中年、黒沢が主人公なのですが、いわゆる社会の底辺にいるような人物を描きながらも、暗い話に […]

「ユフラテの樹」 著 手塚治虫

「ユフラテの樹」 著 手塚治虫 手塚先生らしいテーマ性の強いSF作品ですね。 主人公は高校生の男女三人。彼らが研究発表のために訪れた島で見つけたのがユフラテの樹であり、彼らがその実を食べたことで話が展開していきます。 ようするに、実を食べると人並外れた力を得るという超能力ものなのですけれども、面白いのが超能力を得て悪さをする悪党を倒すというありがちな勧善懲悪を描くのではなく、超能力を得るのはあくま […]

「いつも美空」 著 あだち充

「いつも美空」  著 あだち充 「タッチ」や「H2」といった作品でよく知られているあだち充さんの作品ですね。 あだちさんの作品は叙情とシリアスとコミカルさがうまい具合に混じり合った作品が多いのですが、本作はコミカルさにかなり重点が置かれた作品です。 特徴的なのが、話を読み進めても、この物語がスポーツものなのか、超能力ものなのがその主題がさっぱり見えてこないこと。 一応、ことあるごとにこの物語は日本 […]

「H2」 著 あだち充

あだち充作品の中で「タッチ」に次ぐ知名度の高い作品ですね。 野球にラブコメを混ぜたところは、あだちさん得意のカタチですが、大きく違うのは「タッチ」が三角関係を描いたのに対し、本作はそれをさらに進める形で四角関係を描いているというところです。 三角関係はアンバランスなので、ドラマにしやすいのですが、四角関係で二つのカップルがほとんど出来ている状態だとなかなかドラマとして仕上げるのは難しいんですよね。 […]

「MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝」 原作 高橋昌也/作画 近藤和久

「MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝」  原作 高橋昌也/作画 近藤和久 これ、子供のときに読んでやたら印象に残った本なんですよね。 今思えば、原作が元ストリームベース(モデラー集団、「プラモ狂四郎」にも出てた)であり、「ガンダムセンチネル」を描いた高橋昌也さんで、作画がその後ガンダム漫画で一世を風靡する近藤和久さんなんで、面白くないわけないんですけれどもね、子供のときはそんなことまったく意識 […]