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厳選漫画批評

「タッチ」 著 あだち充

「タッチ」 著 あだち充 80年代を代表する名作漫画ですね。 あだち充さんの漫画にはハズレがありませんが、その中でもダントツに面白く、売れたのがこの作品です。 同年代に生きた人は、誰もが「タッチ」という名前だけでなく「上杉達也」や「浅倉南」といった名前を聞いたことがあるかと思います。 さて、そんなあまりに有名な本作ですが、残念ながら多少誤解して記憶している人が多いようです。 多くの人がこの物語に典 […]

「ザ・ファブル」 著 南勝久

「ザ・ファブル」  著 南勝久 非常に面白い漫画でした。 個人的に普段あまりヤンキーとかヤクザなど裏社会の人が活躍する話は好きじゃないのですが、これは一気に読むことが出来ました。 まず何よりも設定が面白いです。 暗殺者として絶対的なスキルを持つ主人公が、時代の変化とともに用無しとなり、普通の日常生活を送るように命じられる。 それが出来れば、そのまま一般人となり、出来なければ組織に処分されるという話 […]

「飛ぶ教室」 著 ひらまつつとむ

「飛ぶ教室」 著 ひらまつつとむ 30年以上前に少年ジャンプで連載された話です。 単行本にしてわずか2巻分の長さしかありませんが、その短い間の連載で少年時代のわたしに無茶苦茶インパクトを残した話でした。 「キン肉マン」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」とジャンプ前世の時代ですが、それらに負けるとも劣らないくらいの印象を残していますね。 物語の舞台は、1980年代。まだまだ米ソの冷戦が続いている中でい […]

「デイ・アフター・トゥモロー ―カイ・シデンのメモリー―」

「デイ・アフター・トゥモロー カイ・シデンのレポート」の続編ですね。 前作の「カイレポ」がカイがバリバリのジャーナリストとして働いている「Ζガンダム」の時期を舞台にしているのに対し、今回の「カイメモ」はそれから数十年経ったあとの話、おそらく「閃光のハサウェイ」の時期前後が舞台で、カイもすでにかなりの中年になっており、そろそろ一線からの引退を考え始めている年齢になっております。 物語が繰り広げられる […]

「デイ・アフター・トゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―」

ファーストガンダムでガンキャノンに乗っていたカイ・シデンに焦点を当てた話ですね。 一年戦争後にジャーナリストとして活躍をしているカイを描いています。 時期としては、ちょうど「Ζガンダム」の頃の話で、「Zガンダム」のスピンオフ作品となっております。 地味にコアなガンダムファンには人気があった作品で、マニアには「Zガンダム」の隙間がこれでもかというほど細かく巧みに描かれている話ですね。 圧巻なのは、ガ […]

「機動戦士ガンダムUC虹にのれなかった男」

「逆襲のシャア」と「ユニコーン」を繋ぐブライト・ノアを主人公にした漫画ですね。 ブライトさんが語り手だけに戦闘シーンはほとんどなく、あくまで、非公式に査問にかけられているブライトさんの回想という形で話が進みます。 興味深いのが読んでいく中で、改めて脇役であるはずのブライトさんの役割がガンダムシリーズにおいて重要だったということがわかってくるという点です。 ガンダムシリーズのメインテーマは、あくまで […]

「劇画オバQ」

正直こんなものを藤子不二雄先生が描いていたんだなっていう印象の本です。 舞台はオバQことQ太郎が人間界にいたとき、つまり漫画やアニメでQ太郎が描かれていたときから15年後の話です。 オバケ学校をどうにか卒業したQ太郎がまたみんなと暮らしたくて帰ってくるのですが、街並みはすっかりと変わり、以前に居候をしていた家もなくなっています。 しかも正ちゃんとは再会出来たものの、正ちゃんはすでに大人になり、結婚 […]

「黄色い本 ジャック・チボーという名の友人」

手塚治虫文化賞を受賞した高野文子さんの作品ですね。 一言で言えば、難解でいて、単純な話と言ったところでしょうか。捉えどころのない言葉ですが、正直、それほど長い作品でもないにも関わらず捉えどころのない作品であり、捉えどころのない作品だからこそ、妙に人の心に残る作品なのだと思います。 内容はロジェ・マルタン・デュ・ガールがノーベル文学賞を受賞した「チボー家の人々」を田舎の高校生の女の子を読んでいるとい […]

「ひとりぼっちの宇宙戦争」

「ドラえもん」や「パーマン」で知られる藤子F不二雄さんの短編ですね。 藤子F不二雄さんの短編では、様々な短編集の表題になることが最も多いので、一番知られた作品ではないでしょうか。 まずアイデアが光る作品であると思います。 そもそも題名からして、とても魅力的です。 「ひとりぼっち」というイメージを狭める言葉と「宇宙戦争」というイメージを広げる言葉という相反する二つの言葉を並べることで、これから作品を […]

「ミノタウルスの皿」

「ミノタウルスの皿」 藤子不二雄 「ドラえもん」や「パーマン」で知られる巨匠藤子F不二雄の作家人生でターニングポウントとなった言われる短編ですね。 当時連載終了が続き落ち込んでいた藤子F不二雄に、大人向けの漫画誌「ビックコミック」から依頼が来るんですよね。 一度はずっと子供向けの作品を書いてきたからという理由で藤子F不二雄は断るのですが、編集長の熱意ある説得を受けて応じたのがこの作品です。 ネタバ […]