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文化

「五島崩れ」 著 森禮子

「五島崩れ」 著 森禮子 いわゆる隠れキリシタンの話ですが、かなり衝撃的な作品でした。 隠れキリシタンといえば、どうしてもまず天草四郎とか島原の乱をイメージしてしまいますが、この作品で語られているのはその時代の話ではありません。 幕末から明治初期の話です。 すでに文明開花の兆しがあった時代にそもそも隠れキリシタンがいたとか、彼らに対して壮絶な迫害があったとかそういった話自体がほとんど知らなかったの […]

「中国の大プロパガンダ 各国に親中派がはびこる“仕組み”とは?」 著 何清漣

「中国の大プロパガンダ 各国に親中派がはびこる“仕組み”とは?」  著 何清漣 中国のプロパガンダについて克明にレポートされている本です。 国内および国外に対してどのようなやり方でプロパガンダがなされていたったのか、また国外については香港、台湾、アメリカに対して特にどういったアプローチをしているのかが詳しく書かれています。 経済解放後特徴的なのは、その莫大な資金力を背景に既存の大手メディアを買収し […]

「ある行旅死亡人の物語」 著 武田惇志 伊藤亜衣

「ある行旅死亡人の物語」  著 武田惇志 伊藤亜衣 元々ネット記事だったルポが、書籍になってものです。 行旅死亡人とは、身元不明の遺体であり、官報に情報が乗っているんですよね。 記者が、その行旅死亡人で金庫に3400万円もの現金を遺した尼崎の女性を見つけ、その素性を折ってく形でルポが進んでいきます。 それにしてもこの亡くなった行旅死亡人「田中千津子さん」と見られる状況が謎めきすぎてすごい。 まず最 […]

「トキワ荘の時代」 著 梶井 純

「トキワ荘の時代」  著 梶井 純 手塚治虫にはじまり、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など昭和の名だたる漫画家を輩出したトキワ荘のお話ですね。 その中で、手塚の次にトキワ荘に現れ、藤子不二雄らのよき兄貴分となった寺田ヒロオを中心とした話になっているんですけれども、これがすこぶる面白い。 寺田ヒロオといえば、映画「トキワ荘の青春」を思い出したのですが、実はこの本の内容がベースとなっているんです […]

「ディープフェイク ニセ情報の拡散者たち」 著 ニーナ・シック

「ディープフェイク ニセ情報の拡散者たち」  著 ニーナ・シック フェイクニュースがはびこるようになって久しいですが、本書はそのフェイクがいまやディープになり過ぎていて(ディープフェイク)、もはやどうしょうもないところまできていることを様々な事例をもって競輪を鳴らしています。 まず本書を読んで驚いたのは、ディープフェイクが発達したのは、やはりポルノからであり、ポルノ業界ではもはやディープフェイクが […]

「すずめの戸締まり」

「すずめの戸締まり」 2022/日本 エンターテイメントとして安定の面白さがありますね。 ファンタジーの要素が強いのですが、話に入りやすく最後まで楽しんで観ることが出来ました。 地震に神がかり的な説明を与えてしまっている点については賛否両論があるとは思いますが、「戸締まり」のアイデア自体は面白く、ストーリーそのものはエンタメ作品として素直に観入ってしまいましたね。 どうしても有名な監督作品の場合、 […]

「最初の悪い男」 著 ミランダ・ジュライ

「最初の悪い男」  著 ミランダ・ジュライ 映画監督のミランダ・ジュライの初の長編小説ですね。 ノンフィクション「あなたを選んでくれるもの」がとても面白かったので、読んでみました。 正直、出だしから三分の一ぐらいまでは戸惑いました。 登場人物の誰にも感情移入が出来ず、どんどんと主人公の妄想がおかしな方向に進んでいって、一体どういう気持ちでこの本を読めばいいのかわからなかったんですよね。 読み進める […]

「デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義」 著 福田直子

「デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義」  著 福田直子 恐ろしい話ですよね。 2016年のアメリが大統領選挙でトランプ大統領が誕生して以来、ソーシャルメディアが政治的に利用され、それによって意図的に民意の誘導がなされ、民主主義が危機に陥ってきているというのは、何となく自覚し始めている人が増えてきていると思います。 ただこうしてその状況を詳しく見てみると、事態はみんなが思っているよりも […]

「アノマリー 異常」 著 エルヴェ・ル・テリエ

「アノマリー 異常」  著 エルヴェ・ル・テリエ 極めて思考実験的な作品ですね。 アイデアそのものが面白いことは確かなのですが、それに力負けしないくらいの筆力があるので、登場人物が多く、複雑でありながらも、話にこんがらがることもなく夢中になれますし、一つひとつの文章を楽しむことも出来ます。 さて、ここからは内容に触れていく話になるので、読んだ人のみが読み進めてほしいのですが、本作においてまず最初に […]

「亜人」 著 桜井画門

「亜人」  著 桜井画門 すこぶる面白かったです。 まずそもそもの発想がいい。 何度死んでも生き返る亜人と呼ばれる人たちが中心に描かれているのですが、これはゲームのキャラクターを彷彿とさせますね。 劇中でパックマンが出てきますが、ようは何度死んでもお金を入れ続ければ何度も生き返るんです。 不死身か不死身に近いキャラクターはこれまでもいたとは思いますが、ただ不死身なのではなく、「何度でも生き返る」と […]