「法治の獣」 著 春暮 康一
「法治の獣」 著 春暮 康一 「主観者」「法治の獣」「方舟は荒野をわたる」の三つの中編が収録されています。 どれも著者の豊富な生物学の知識によって書かれた作品で、この分野に興味がある人には堪らない話ですね。 徹底して生物学の観点から物語にアプローチしているので、そのこと自体がこの著者の猛烈な個性になっています。 三編とも一つの時間軸の中での話だそうですか、そのうち、最初の「主観者」と最後の「方舟は […]
「法治の獣」 著 春暮 康一 「主観者」「法治の獣」「方舟は荒野をわたる」の三つの中編が収録されています。 どれも著者の豊富な生物学の知識によって書かれた作品で、この分野に興味がある人には堪らない話ですね。 徹底して生物学の観点から物語にアプローチしているので、そのこと自体がこの著者の猛烈な個性になっています。 三編とも一つの時間軸の中での話だそうですか、そのうち、最初の「主観者」と最後の「方舟は […]
「輝石の空」 著 N・K・ジェミシン 「第五の季節」「オベリスクの門」に続く、「壊された地球シリーズ」の第三作目にして最終章ですね。 このシリーズの最大の特徴である圧倒的な世界観の謎をこの作品で一気に解き明かしていきます。 ここで明かされる世界観を最初にある程度考えた上で、第一作目から書いているのだと考えると、やっぱりすごい作り込み方をしていますね。 本作は、エッスンとその娘であるナッスン、そして […]
「オベリスクの門」 著 N・K・ジェミシン 「第五の季節」シリーズの第二弾の話ですね。 「季節」を引き起こしたのが誰かがわかったところで前作は終わったのですが、本作はそこからの続きになります。 カリストマに辿り着いたエッスンがその地に根付き、その地を守るために帆走する様子が、オベリスクの門の開門への道筋とともに描かれています。 同時に夫ジーニャによって連れ出されたナッスンの様子も描かれるのですが […]
「第五の季節」 著 N・K・ジェミシン N・K・ジェミシンの三部作なる大作の一作目の作品です。 本作を含め、三部作すべてでヒューゴー賞を三年連続で受賞しているので、SF小説ファンとしてはかかせない作品ですね。 さて、本作についてなんですが、まず読んでみて気づくのが、世界観がほぼ作者の想像によって作られている、つまりフルスクラッチの世界観で作られているという点です。 気補填的にSF小説の多くは想像の […]
「三体X 観想之宙」 著 宝樹 世界的に大ヒットした「三体」シリーズの公式スピンオフ作品です。 「三体」シリーズの劉慈欣さんが書いたものではなく、そもそもはただの一ファンであった宝樹さんが「三体」が好きすぎてシリーズで語られなかった部分を自らの想像力によって補完した同人誌なんですよね。 ただこのわずか一月ばかりで個人が勝手に書かれたというスピンオフ作品のレベルがすこぶる高い。 瞬く間に注目を浴びた […]
「嘘と正典」 著 小川 哲 小川哲さんの短編集ですね。 個人的にとても自分の好みに合ったものを読ませてもらえる好きな作家さんです。 特徴的なのは、SFが基本でありながら、ジャンルを飛び越えて話を作り込んでくる点ですね。 特に歴史に造詣が深く、歴史に関わる話やタイムスリップの話をあの手この手で作って来るので、歴史とSFが大好物としてはたまらない話をいつも読ませてくれるんですよね。歴史改変モノという一 […]
「氷結時代の終わり」 著 六角光汰 六角光汰さんの「太陽系時代の終わり」の姉妹編にあたる小説です。 「太陽系時代の終わり」を読んだ後に、ぜひ続編が読みたいと思っていたところに、姉妹編なら「小説家になろう」で読めるとのことで読んだ本です。 「太陽系時代の終わり」を楽しく読ませてもらった身としては、ああ、この話はこういう話だったのかとパズルがハマっていくようなカタルシスを感じることが出来る一方で、お […]
「太陽系時代の終わり」 著 六角光汰 なかなか読み応えのある話でした。面白かったです。 ハードSFではあるんですが、この手の話は、好きな人はどんどんと読み進めちゃいますね。 単純にその世界観を楽しむことが出来ました。 わたし好みの作品です。 何だか読んでいくうちに、いい意味でこれまで読んだSF小説を思い出したので、そういう意味でも楽しかったですね。 レスター少年は、わたしの好きな「時間封鎖」シリ […]
「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 伴名練 編 SF作家の伴名練さんが編集したアンソロジーですね。 姉妹編の「怪奇篇」が面白かったので、「恋愛篇」も読んでみました。 収録されているのは、以下の9篇です。 「死んだ恋人からの手紙」中井紀夫 「奇跡の石」藤田雅夫 「生まれてくる者、死にゆく者」和田毅 「劇画・セカイ系」大樹連司 「G線上のアリア」高野史緒 「アトラクタの奏でる音楽」扇 […]
「日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族」 伴名練 編 SF作家の伴名練さんが、優れた作品でありながらも、これまで種々の短編集で拾われていない作品を集めたアンソロジーです。 集められた短編は、 ・「DECO-CHIN」中島らも ・「怪奇フランクル男」山本弘 ・「大阪ヌル計画」田中哲弥 ・「ぎゅうぎゅう」岡崎弘明 ・「地球に磔にされた男」中田永一 ・「黄金珊瑚」光波燿子 ・「ちまみれ家族」津原泰 […]