「記者たちの満州事変 日本ジャーナリズムの転換点」 著 池田一之
「記者たちの満州事変 日本ジャーナリズムの転換点」 著 池田一之 日清戦争、日露戦争から始まって太平洋戦争に終わるまで、日本の軍事的な対外進出に対して、日本の主要メディアがこれを批判するどころか後押ししていたのは、有名な話ですね。 特にその転換点だったのが、柳条湖事件に始まる満州事変に対する報道であって、この本ではジャーナリズムがもはや後戻り出来なくなってしまった顛末が克明に語られています。 戦 […]
「記者たちの満州事変 日本ジャーナリズムの転換点」 著 池田一之 日清戦争、日露戦争から始まって太平洋戦争に終わるまで、日本の軍事的な対外進出に対して、日本の主要メディアがこれを批判するどころか後押ししていたのは、有名な話ですね。 特にその転換点だったのが、柳条湖事件に始まる満州事変に対する報道であって、この本ではジャーナリズムがもはや後戻り出来なくなってしまった顛末が克明に語られています。 戦 […]
「眠れない夜は体を脱いで」 著 彩瀬まる 「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板にまつわる短編集です。 一つ一つの話がストーリーとして繋がっているわけではありません。 ただテーマとしてはしっかりと繋がっているんですよね。 それは「体」に対する違和感。 正直、個人としてはわたしは自分の体に対して、ここで出て来る主人公たちのように性や体に違和感を強く感じたことはありません。 まったくないという […]
「センチメンタル・リーディング・ダイアリー」 著 @osenti keizo lovinson 小説の書評を集めたものなのですが、それぞれに著者の経験によるエピソードが語られています。 読んでいるうちに、これが書評なのか、著者によるエッセイなのか、それともこれこそが小説なのかわからなくなっていく不思議な読み物でした。 作者の飾らない、当事者性がヒシヒシと伝わってきて、ある意味でこれほど食い入るよう […]
「アクロイド殺し」 著 アガサ・クリスティー 意外すぎる人物が犯人だったというアガサ・クリスティーの名作ですね。 当時は賛否両論でその驚きの結末に賛美する人が多かった一方で、ルール違反だと言って認めない人も少なからずいたようです。 ただ現在にして思うと、すでに推理小説というジャンルを確立させている上で、クリスティーがあえて定石破りをしている、つまりは当時の推理小説の感覚から一歩も二歩も進んだこと […]
「恋愛の哲学」 著 戸谷洋志 恋愛を哲学的な観点から語っている本です。 哲学というと堅苦しく聞こえてきますが、実に分かりやすく恋愛というものを解き明かしています。 この本で取り上げれられている哲学者は全部で七人。 目次を挙げると、 第一章 なぜ誰かを愛するのか? プラトン 第二章 なぜ恋愛に執着するのか? デカルト 第三章 なぜ恋人に癒されたいのか? ヘーゲル 第四章 永遠の愛とは何か? キルケゴ […]
「所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源」 編著 岸政彦/梶谷懐 「所有」について、経済学や社会学、人類学など様々な立場の研究者がひもといた作品です。 以下の内容で構成されています 第一章 所有と規範——戦後沖縄の社会変動と所有権の再編 第二章 手放すことで自己を打ち立てる――タンザニアのインフォーマル経済における所有・贈与・人格 第三章 コンヴェンション(慣習)としての所有制度——中国社 […]
「幸福な監視国家・中国」 著 梶谷懐・高口康太 これはとても勉強になりました。 いたずらに中国のこととなると過剰に身構えがちな日本人ですが、この本を読むと少しわたしたち日本人が抱いている中国に対するイメージと実際の中国とでは違うことがよく分かりますね。 昨今の中国に対する大きなイメージはやはり「監視」という一言に尽きます。 インターネットは規制されているし、そもそも政府を批判することは許されない […]
「劇場版 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」 日本/2024 ああ、ガンダムSEEDが20年ぶりに帰ってきた。 テレビ放送終了直後に映画化の話はありましたが、長かったですね。 やはりテレビシリーズの脚本を書いていた両澤さんが亡くなられたのが大きかったんですかね。 さて、そんなこんなでついに公開されたSEEDの新作ですが、テレビシリーズがそうであったように、賛否両論になっていますが、それも含 […]
「VRビジネスの衝撃 「仮想世界」が巨大マネーを生む」 著 新 清士 VRの現状と展望を分かりやすく説明してくれている本です。 2016年に出版された本なので、今はVRもこの頃よりだいぶ進化しているんだろうと思います。 そうした古さを鑑みても、VRがどういう背景で発展してきたのか、そしてこれからの話がよく分かったので興味深かったです。 個人的にSF好きとしては前からVRには興味があったんですよね […]
「証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実」 著 NHK「ETV特集」取材班 戦前、戦中にわたって国民を縛り上げ続けた悪法ですね。 この本ではなぜこの法律が出来たのか、からどのように検挙者の数が推移していいたのか、そしてなぜ検挙者数が跳ね上がったり、下がったりしたのかを詳しく説明しています。 ひと口に治安維持法といっても、その内容に変化があったり、その時代背景や検挙理由の変化などは […]