「オベリスクの門」 著 N・K・ジェミシン

「オベリスクの門」  著 N・K・ジェミシン 「第五の季節」シリーズの第二弾の話ですね。 「季節」を引き起こしたのが誰かがわかったところで前作は終わったのですが、本作はそこからの続きになります。 カリストマに辿り着いたエッスンがその地に根付き、その地を守るために帆走する様子が、オベリスクの門の開門への道筋とともに描かれています。 同時に夫ジーニャによって連れ出されたナッスンの様子も描かれるのですが […]

「情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて」 著 セザー・ヒダルゴ

「情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて」  著 セザー・ヒダルゴ 世界の捉え方の感覚を根本から変えてくるほど、衝撃度の高い本でした。 世界が基本的に物理の法則の中で出来ていることは、現代人のもはや常識です。 しかし物理の法則とは、コーヒーにミルクを垂らすと次第に混ざった溶けていくかのごとく、基本的に秩序から無秩序に変化するものであり、そう考えると、物理の法則とは逆方向のベクトルに進 […]

「課長島耕作」 著 弘兼憲史

「課長島耕作」  著 弘兼憲史 名前は当然知っていたけど、ちゃんと読んだことがなかった漫画でした。 30年前の作品ですが、ずっとシリーズが続いているだけあって読ませますね。 作品の節々に作者の弘兼さんがしっかりと様々なことを調べ上げてから描いているので、この時代の大企業のサラリーマンをリアリティーある描写でもって表現していると思います。 単純に漫画としての面白さとともに、その時代背景を後世から読み […]

「第五の季節」 著 N・K・ジェミシン

「第五の季節」 著 N・K・ジェミシン N・K・ジェミシンの三部作なる大作の一作目の作品です。 本作を含め、三部作すべてでヒューゴー賞を三年連続で受賞しているので、SF小説ファンとしてはかかせない作品ですね。 さて、本作についてなんですが、まず読んでみて気づくのが、世界観がほぼ作者の想像によって作られている、つまりフルスクラッチの世界観で作られているという点です。 気補填的にSF小説の多くは想像の […]

「コーダ あいのうた」

「コーダ あいのうた」 2021/アメリカ、フランス、カナダ アカデミー賞の作品賞を獲った作品ですが、納得の選出です。 まずテーマがいいです。 障害者ばかりの家族の中で、奮闘しなければいけない健常者に焦点が当てられているのですが、これ、ここに注目するのは非常に大事な話ですよね。 どうしても障害者の話になると、障害者そのものが主人公になりがちで、そうした物語ももちろん非常に意義深いのですが、当事者と […]

「秒速5センチメートル」

「秒速五センチメートル」 2007年/日本 「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」などでもはや多くの人にその名をとどろかせることになった新海誠監督の初期の代表作ですね。 実は個人的には、新海作品の中ではこの作品がダントツでいいと思っています。 「君の名は。」以降、川村元気さんが新海監督のプロデューサーとして参加してからは、良くも悪くも新海作品は万人受けする作品になっていったのですが、初期の […]

「五島崩れ」 著 森禮子

「五島崩れ」 著 森禮子 いわゆる隠れキリシタンの話ですが、かなり衝撃的な作品でした。 隠れキリシタンといえば、どうしてもまず天草四郎とか島原の乱をイメージしてしまいますが、この作品で語られているのはその時代の話ではありません。 幕末から明治初期の話です。 すでに文明開花の兆しがあった時代にそもそも隠れキリシタンがいたとか、彼らに対して壮絶な迫害があったとかそういった話自体がほとんど知らなかったの […]

サッカーW杯、アルゼンチン優勝・メッシ活躍で思い出すこと

いやあ、ワールドカップの決勝戦凄かったですね。 これほどドラマ染みた決勝戦は久々に見た気がします。 それにしても個人的に推していたアルゼンチンが優勝してうれしいです。 実は、昔からメッシのファンだったんですよね。 子どもが生まれる前は、サッカーの試合もよく観に行っていたので、メッシが日本に来た数少ない時に生観戦しました。 一度目は2010年にアルゼンチン代表として日本代表と親善試合をやったとき。 […]

「中国の大プロパガンダ 各国に親中派がはびこる“仕組み”とは?」 著 何清漣

「中国の大プロパガンダ 各国に親中派がはびこる“仕組み”とは?」  著 何清漣 中国のプロパガンダについて克明にレポートされている本です。 国内および国外に対してどのようなやり方でプロパガンダがなされていたったのか、また国外については香港、台湾、アメリカに対して特にどういったアプローチをしているのかが詳しく書かれています。 経済解放後特徴的なのは、その莫大な資金力を背景に既存の大手メディアを買収し […]

「ある行旅死亡人の物語」 著 武田惇志 伊藤亜衣

「ある行旅死亡人の物語」  著 武田惇志 伊藤亜衣 元々ネット記事だったルポが、書籍になってものです。 行旅死亡人とは、身元不明の遺体であり、官報に情報が乗っているんですよね。 記者が、その行旅死亡人で金庫に3400万円もの現金を遺した尼崎の女性を見つけ、その素性を折ってく形でルポが進んでいきます。 それにしてもこの亡くなった行旅死亡人「田中千津子さん」と見られる状況が謎めきすぎてすごい。 まず最 […]