中田翔、巨人移籍で見える、上下関係で成り立つ日本社会の古くささ

中田、無償トレードで巨人へ 同僚への暴力「愚かな行為」―プロ野球

驚きました。
確かに放出の噂はずっとありましたけれど、巨人に無償トレードですか…。
昔、ダイエーから巨人に移籍した小久保選手を思い出しますね。
まあ、それだけ今の時代、パワハラまがいの暴力はダメだということです。
それにしても、考えさせられるのは、やはり日本社会に根付く縦社会の文化ですね。
部活から始まるスポーツ界の先輩後輩の上下関係は、典型すぎる程の典型というか、そうした社会を作るエンジンにもなっている風習ですからね。

ちなみに今回の件で、アメリカのメジャーリーグと照らし合わせた記事がありましたが、アメリカでは、そもそも先輩後輩の上下関係が希薄なので、中田選手のような話はただの喧嘩とされて大して問題にされない可能性があるということです。
これは中田選手がやったことが大した話じゃないということを意味しているのではなく、いかにその背景に見える日本独特の人間関係が特異であるのかということを如実に表している話ですね。

多くの人は、手を出した中田選手だけが悪く、アイツは何をやっているんだと思っていると思いますが、この手の話は日本の会社や学校ではどこにでもある話です。
ただ今でこそ暴力というわかりやすい形で表面化していないだけで、様々な方法での上下関係における圧迫はどこにでもあり、社会が変わりつつあるのに、そのことに気がつくこともなく、当たり前の、自分に与えられた権利としてそれを行使している人も山ほどいることも現実ですね。
しかもそれが地位や権力がある人ほど、その意識が変わっていないというのは困ったものです。

中田選手は、巨人の選手として再出発をする機会を与えられましたが、果たして本当にそれでいいのかという思いもチラリとしてしまいます。
少なくとも出場停止処分を受けていたわけで、日ハムのファンに対しても何らメッセージを発していないのですからね。
先日、メジャーの大谷選手に差別発言した解説者が、出演停止の上に、バイアストレーニングを受けるという記事が載っていました。
救いの手を差し伸べること自体は悪いことだとは思いませんがね、中田選手がしたことの重大さをキチンと理解したことを示すような、何らかの禊は、ファンに見える形でした方が中田選手にとっても巨人にとってもいいと思いますが、どうでしょうかね。