https://president.jp/articles/-/27578
中年の非正規問題は深刻な問題だと思います。
わたしもこの世代ですが、そもそも世代間の格差(賃金だけでなく、チャンスが与えられるかどうかという意味でも)がひど過ぎます。
特にバブル世代後の就職氷河期に就職活動をしなければいけなかった団塊世代jrの世代の状況は、人数が多いせいもあり、目も当てられません。
人材不足の今、どの企業も人がいない、特に40代の中間管理職がいないと騒ぎ、あたかも今起こった社会問題のように企業の経営者や政治家は言っていますが、それは違います。
問題は間違いなく、多くの企業が失われた10年で新卒の正社員採用を抑えたことに端を発し、またアメリカに言われるがままに派遣労働の間口を広め、非正規採用を広げたことにあります。
それなのに、努力が足りない、能力が足りない、といったいわゆる自己責任論ばかりが横行し、この世代の多くの追い詰められた人々が、あたかもその状態が当たり前のように思わされるようにさらに追い詰められていったことには、同じ世代として本当に怒りを感じます。
正社員として採用する若者の数を減らすこと以外にも、利益を上げられる方法があったはずですし、また、そのとき高い給料を貰っていた政治家や大企業の幹部の報酬は果たして適切であったのかどうかも疑問なのです。
今の人手不足も、格差問題も、もっといえばそれに付随する保育園の問題なども、こうしてみれば、かなりの部分で政治家と企業によってもたらされた人災であることは誰の目にも明らかです。
そしてこの恵まれない世代の一人として納得がいかないのは、この問題に対しては声を挙げる人が有識者が少なく、またなぜこうなったのかが全然検証されていないこと。
何もその時の政治家や企業家に刑事罰を与えろと言っているわけではありません。これからのためにも、なぜこうなったか、こうならないためにはどうすればよかったのかをよく研究し、それを今後の対策にいかしてほしいのです。
このままではこの世代で苦しんでいる人があまりに不憫で浮かばれません。
こうした人たちに、自分たちのせいだけではなかったんだと思ってもらうためにも、誰が何をしたから今があるのかをみんなで考えていく必要がありますね。