https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1811/05/news051_3.html
学生の就職活動は今や空前の売り手市場のようですね。
就職超氷河期のわたしにとっては、うらやましい限りの状況です。
ただ、色々と調べてみると、企業が求める人材と、就職希望者が企業に何を期待しているのか、ということには少しズレがあるようです。
リンクを貼った記事にもあるように、今女子学生を中心に人気があるのは事務職だそうです。まあ、昔から事務職は女子には人気があったというか、女子=事務職みたいなジェンダーバイアスがあったので、その流れというのもあるかもしれませんが、とにかく事務職が人気があるようです。
そして、なぜ人気があるのかというと、やはり営業職などに比べて、ワークライフバランスがとりやすいというイメージが強いからだと言います。
この気持ちは何となくわかりますね。これだけどこもかしこも「ブラック」という言葉や「人手不足」という世の中にあふれている中では、誰しもが、いかにそれを避けるか、を考えますよね。今はネットの情報などで今はある程度は簡単に調べられる時代なので尚更です。実際、何となくラクに見える事務職には、最近は男子学生も希望者が殺到しているらしく、超売り手市場にも関わらず、大手企業の正規の一般事務職だけは狭き門になっているようです。もちろん、これにはAI化によって、この職種自体の募集が減らされているという事情もあるようなのですが。
一方で採用をする会社側としては、人手不足で人件費がかさんでいるので、とにかく一人で色んなことが出来る優秀な人を欲しがります。それは一般事務にとってもそうで、今や非正規であっても、根幹的な仕事をどんどんと任されてしまっている始末です。
となると、いくら「福利厚生があります」とか、「産休・育休制度」があります、と企業側が謳っても、学生側としてはどこか信じられず、結局は無茶苦茶疲弊させられてしまうのではないかとうがった見方で見てしまっても仕方がありません。
日本の企業は、昔からゼネラリストを育てようという風土があります。ゼネラリストとは、ようする色々なことが出来、総合的な判断が出来るようになるリーダーですね。理念としてはそれは正しく、そういう人たちがたくさん育てば、組織が潤うことは間違いなしです。
ただこれは、うまく育てば、という話で実際は出世街道に乗った一部のエリートしか期待通りに育たないのがほとんどでしょう。大抵の場合は、色んなことを学ばせて育てている、と銘打って人手の足りない所に穴埋めのように埋めているだけなのが実情なのだと思います。
人手不足を目の前に、出来る限り「ブラック」を避けたがる若者たちと、出来る限り「ホワイト」の顔をして若者を都合よく働かせたい企業。
問題は、いかにちゃんと教育することが出来るか、に尽きます。もちろん、会社の言うことを何でも聞くように教育をするのではなく、本当にその人のためを思って教育をするという意味で。
今のミレニアム世代の若者たちは、お金や名誉よりもやりがいを求める傾向が全体的に高いそうです。企業も今までのように、とにかく会社の言うことを聞け、という姿勢だけではダメだと思います。
顧客だけでなく、従業員が気持ちよく働ける環境を作ること。それを作るために努力すること。企業もそうやって時代に合わせて社風を変えていかないと、史上空前の人手不足の中で生き残っていくのは難しいかもしれません。