増える外国人労働者 受け入れ方で変わって来る日本の未来のカタチ

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63389

増えている外国人労働者について非常にわかりやすく考察されている記事でした。

そうなんですよね。実数としては、すでに日本には在留外国人はとても多くいるんです。現在の264万人は、先進国の中ですでに七番目の数字ですし、その増え方にしても平成の三十年間で三倍に膨れ上がっています。
実際、東京などの都市部だけでなく、農業漁業などの第一次産業や、工場などの第二次産業でもすでに技能実習生という形で外国人労働者が多く働いているので、日本の至る所で外国人が増えているという実感を持っている人は多いと思います。
ただ日本の場合は、在留外国人の数は増えているのですが、そもそもの生まれも育ちも日本だという日本人の数が多いので、相対的にまだまだ外国人が少ないという印象をみんなが抱いているですよね。

問題は、人手不足の解消のためにどんどん外国人労働者を入れてくれと要請している経済界に対し、大っぴらに外国人を入れてしまえば選挙に響くと考える政府が、ごまかしごまかしで、外国人労働者を制限している、もしくは入れたとしてもある程度の年月が過ぎれば帰ってもらうという政策をしていますよ、という顔ばかりをしている点で、国民自身に、外国人労働者が増えているので、国民自身が考えて行かなければいけないことをしっかりと伝えていない点にあると思います。

だから、多くの国民も「外国人は働くだけ働いたら国に帰る人たち」つまりは人手不足の代替物のようにしか思っておらず、彼らも同じ人間であること、彼らにも家族を持ち、生活があることが意識から抜け落ちてしまうんですよね。

何も、外国人の誰にでも無制限に移民を認め、そして彼らを必要以上に厚遇しろと言っているわけではありません。
ただ足りない部分の労働を担ってくれている以上は、普通の人間として暮らして行けるほどの、賃金や環境は与えていくべきだと思うし、そのことに関して、市井の人々も他人事とせずに一人一人考えていくべきだと思うんですよね。どうしたら、彼らに日本のことを分かってもらえるのか。どうすれば彼らと仲良くやって行けるのか、をね。

この四月からは外国人労働者の受け入れが加速します。ただ新たに多くの人が流入してくるというよりは、これまで技能実習生として働いていた人たちや留学生の在留期間が延びるというのがメインの話で、彼らが定住する話にはなっていません。
働くだけ働かせて、定住はほとんど無理ですよ、というのは少し都合が良すぎる制度じゃないかと思います。
それは、日本人としては、そんなの当たり前だと息巻く人も多いと思いますが、働いている外国人の立場に立てばね。真面目で、真摯にこの国で生きていきたいと思ってくれる人には、何らかの形で定住が出来るチャンスはあってもいいと思うんですよね。
じゃあ、何をもって彼らが真面目だと判断するのか。また家族のどこまでの定住を認め、どこまでの市民権を与えるべきなのか。
何度も言いますが、そういったことのための議論が本当に必要だと思うんですよね。多くの国民に分かる形で。
叩かれることを恐れて、そこの部分をなおざりにいいとこ取りだけをしようとするから、おかしくなるんです。

欧米などでは、移民の二世三世が自分たちが差別をされていると不満を持ち、特にヨーロッパではそういういわばルサンチマンになってしまった人たちが、ISに加わったり、テロを起こしたりしています。
彼らがそうなるのは、元を辿れば移民の問題をしっかりと受け止めずに、世論を恐れてなし崩し的に移民政策を行ってきたから。社会に対して政府も産業界もしっかりと人々に説明を行ってこなかったからです。

日本は今ちょうど岐路に立っている時です。
社会情勢からいって、外国人労働者やその家族が増えていくことは間違いないでしょう。いくら嫌だと言っても、日本という国の規模を小さくしない限り避けることは出来ません。
でも、彼らをどう受け入れ、同じ日本で暮らす仲間としていかに受け入れていくかは、これからどうにでも作っていけます。まだ間に合う話なのです。

日本社会を怨嗟に思う二世三世を生まないためにも、逆に彼らに日本社会の力になってもらうためにも、そして日本が差別に塗れた国にならないためにも、わたしたちはこの問題に関して互いに話し合うことを恐れてはいけませんね。