NGT48山口麻帆さん暴行事件にみるAKSのリスクマネジメントのまずさと黒幕(?)の存在

https://withnews.jp/article/f0190326002qq000000000000000G00110101qq000018934A

話がどんどんと泥沼に向かっていますね。
知っていると思う人も多いと思いますが、NGT48の山口麻帆さんが一部のファンに自宅前で待ち伏せをされ、暴行を受けたという事件ですが、問題はその暴行をしたファンがNGT48の別のメンバーと繋がっていたことであり、それ自体がそもそもファンと私的な繋がりを持ってはいけないというグループとしてのルールを破っていたのではないかという点です。
暴行事件そのものは、すでに不起訴になっているのですが、そもそもなぜこのようなことが起きたのか、本当に一部のメンバーとファンの私的なつながりがあったのか、もしあったのだとしたら、そのメンバーに対する何らかの処分はないのか、という点で運営会社であるAKSの判断が待たれていました。

そして、第三者委員会を立ち上げ、先日その報告会を行ったのですが、それが皆さんもご存知の通り酷い結果となりました。
ようするにそもそも第三者委員会の報告会にもかかわらず、なぜか当事者であるはずのAKSの責任者である松村取締役が報告を行い、しかも読み込んできてないことがわかるほどグダグダな様子で、肝心なファンとつながりがあったとされるメンバーについては、処分を不問にするという内容でした。これに対し、被害者である山口麻帆さんが会見中にツイートで反撃し、なぜつながりのあったメンバーを処分すると約束したのに嘘をついたのか等を訴え、それをメディアに指摘された松村氏がたじたじになって終わるという、まあ、組織としての対応としては笑えるくらいに最悪の結果となって終わりました。

まず、NGT48及びAKBグループの活動の前提であるファンと私的なつながりをもってはいけないというルール自体の是非は置いておいて、そのことをルールとしてアイドルが行動し、ファンもそれを見守っているという立場を作っているのなら、それを破ったメンバーに対しては、運営会社としてはやはり何らかのアクションは起こさないといけないと思います。
そうしなければ、運営そのものの信頼が揺らぎ、結果ファンから見放されることにつながりますし、そもそも今回の事件のように、単純に活動をしているアイドルたちにとっては危険な話にも繋がってしまいます。

まあ、そんなことは当然みんなわかった上で、AKSの判断を待っていたわけですから、メディアもファンも、そして活動しているアイドル達もみな、AKSのまさかの対応にビックリしたというか、呆れたわけですよね。そして、世論のほとんどが山口さんの側に立つという事態になったわけです。
企業のリスクマネジメントとしては、今回のAKSの対応は正直最悪です。
まず問題なのは、そもそもの危機管理が全然出来ていないこと。ファンに近いアイドルであるが、ファンとの私的な繋がりはダメ。このことが活動の屋台骨であるはずならば、メンバーたちの管理ついてももっと徹底しなければいけなかったし、セキュリティという意味で、アイドルたちに危害が及ばないような運営の仕方をしなければ行けなかったと思います。
また第三者委員会の会見そのものに対しても、AKS側はとにかく臭いものに蓋をしろというような、問題を直視し、それを改善させるという意図よりは、とにかく早く事態を収拾させたい、隠ぺいして誤魔化したいという態度がアリアリで、しかもそれが随所に垣間見られるというのは、本当に一番ダメなパターンです。
正直、企業としてリスクマネジメントの何たるかが本当にわかっているのかと疑いたくなるほど、酷い対応です。

おそらくAKS側としては、ファンとつながりがあるメンバーを処分することはNGTの活動にとって打撃になるという経済的な理由で、話をこれ以上大きくしたくないのでしょうが、こんな対応をすれば、そりゃ山口さんだって黙っていないだろうし、より信頼をなくして、事態が悪化するだけですよね、そりゃ。

そして皆さん、当たり前の話ですが、こぞってAKSの松村取締役を非難しています。
まあ、確かにこの人自身の対応もまずかったと思いますが、ただ個人的な印象としてはこの人は、板挟みになっていて、苦しい対応をしなければいけない立場に立たされているような気もします。つまりは、山口さんに納得してもらわなければいけない。またほかのメンバーを守ることでグループの利益も図らなければならない。またそれ以外の圧力の結果として、隠ぺいありきで動いているように思うのです。
多くの人が、秋元康プロデューサーがどうして出てきて謝罪しないのかと憤っていますが、秋元プロデューサーはあくまで創作プロデューサーであって、運営上の責任はすべてAKSにあります。実際、秋元さんはAKSの代表者ではありませんしね。
では、AKSはすべて松村取締役の意志で動いているのか? 圧力が加えられていたとすれば、誰が彼に命令を出せるのか。もちろん運営上のまずさや、対応の失敗は彼の責任によるところも大きいでしょうが、組織である以上、彼だけの問題ではなく、それよりもAKSという組織がどういう意思決定で動いており、またどのような社会理念を持った集団であるのかが問題になってくると思います。

では、AKSという組織は、そもそもどういう組織であるのか? 
もちろん、そもそもは秋元康さんを中心としたAKBのムーブメントを作った人々で運営し始めた会社ですが、今はメンバーが大部入れ替わっています。まあ、取締役名簿を見ても分かるのですが、今、AKSという会社を、またAKBグループそのものを事実上支配しているのは、京楽産業という会社です。
聞いたことがある人もいるかもしれませんが、ようはパチンコのメーカーですね。伊東美咲さんの旦那さんが社長と言うことでも有名な会社です。

そうすると、当然今回のAKSの対応について監督責任があるのは、当然京楽産業ということになり、表に出て来るべきは京楽産業の関係者ということになります。また、松村氏に命令を出せるとすれば、この会社だけとなります。
そして、今後の事件に対する対応や、またAKBグループの動向そのものは、この企業が握っているわけですから、この会社がそもそもどのような社会理念を持っているのかということが重要だということになってきますね。

何だか急激に、この京楽産業という企業が気になってきましたね。
ちなみに興味ついでに、この企業がどんなCSR活動を行っているのか、どんなメッセージを社会に投げかけようと思っているのか、その辺りのことを調べてみました。
しかし、同社のホームページには、今や大手企業では当たり前となっているCSRレポートのページはおろか、社会貢献的な活動を紹介するようなページすらもなく、せいぜいスポーツ選手や映画祭を支援している程度の話しか見当たりませんでした。
またメッセージとしても、パチンコを通じて皆様をもっと驚かせたい的な話しかなく、そこには驚くほど哲学も理念も感じさせるものがありません。

まあ、やっぱりというか、だからこそのあのリスクマネジメントの酷さだったというのか(この企業があの会見の意思決定に関わっていたらの話ですが)。
なるべくして、ああなったというのがわかる気がするのと、やはり今は企業としてリスクマネジメントをしっかりとしなければ、綻びが何らかの形で出てしまうこと、ただ目先のお金を儲ければいいという話だけじゃなく、中長期的な視野を持って社会理念を持って公表しなければ、結果として企業としての信頼が揺らいでしまうこと。
正直、そんなことを改めて思い起こされましたね。

これをキッカケに社内でもう少し色々と考えるようになってもらいたいわけですが……。
AKBグループのファンは、恐らく今もたくさんいると思うで、そういうファンを裏切らないためにも、ここはしっかりと体制を整え、より透明性の高い運営をしてほしいです。