https://toyokeizai.net/articles/-/277798
CSRの話の中でよく出てくる用語がESです。ESとは従業員満足度(Employee Satisfaction)のことで、従業員の企業における環境や待遇に満足しているかどうかの数値を定量的に示すものです。
ESが高まれば、相乗効果的に顧客満足度(Customer Satisfaction)も向上し、結果的に企業の業績にいい影響を与えると言われています。
とここまでは、CSRをかじったことがある人なら一度は聞いたことがある話です。
今回の記事で取り上げられていたのは、EHつまりは従業員幸福度(Employee Happiness)と呼ばれるもので、従業員個人の幸福度を主観的な評価によって数値化する取り組みのこというらしいです。
日本ではまだま聞きなれない言葉ですが、アメリカではすでに、従業員の幸福度を高めるための役職を設ける企業が続々と現れているようですね。
そして、実際この幸福度というやつが高ければ高いほど、欠勤率や離職率が低くなり、創造性や生産性なども高くなるそうです。
確かに、考えていれば幸せな人間ほど、余計な心配事などをせずに仕事に励むので、それだけ意欲的になるだろうし、効率的にもなるでしょうね。
余裕があるからこそ、創造的な発想も生まれやすい下地が出来上がるというわけでしょうし。
では、その幸福度とは何なのか。何をもって幸福だといえるのかという話になると思いますが、記事によると、それは「自己実現と成長(やってみよう因子)」「つながりと感謝(ありがとう因子)」「前向きと楽観(なんとかなる因子)」「独立と自分らしさ(ありのままに因子)」だそうです。
ようするに、どれだけ自分の成長を感じながら、前向きに、自分らしく仕事を楽観的に出来るのか、そして周りに感謝を出来るのかという当たり前の話になるのですが、実際に自分をそういう状態に持っていくのって、簡単そうに見えて意外と難しいんですよね。
問題は、自分一人ではすべての環境をどうにも出来ない部分があることと、自分の能力で、どれだけその状態に自分を持っていけるのかということ。
結局は、いかに幸福度の高い職場に自分の身を置くことが出来るのかという話であり、幸福度を甘受できるだけの能力が自分にあるかどうかという話になってしまうのですが……。
ただ個人的には、成長にしても、前向きさにしても、感謝にしても、その目的が何であるかによってだいぶ話が変わってくる話ではないかと思うんですよね。
年収やよりよい地位のために、成長をしよう、前向きになろうという人と、もっとプライスレスな何かのために、成長をしよう、前向きになろうという人とではたいぶその内容も変わってきますしね。
まあ、何が幸福だと思うかどうかは、人によって違うと思うので何も断言することは出来ないんですけれども。
大事なのは、やっぱり何をもって自分が幸せだと感じるのか、自分自身の声を素直に聞くことですね。
周りの意見とか、社会的な要求とか、見栄とかじゃなく、自分が何をして楽しいのか、何をしたいのか、そういうものを突き詰めていくと、決して会社の環境や自分の能力の問題じゃなく、自分自身の幸せの形、つまり自分が一番大事にしなければならないものが見えてくると思います。
なかなか見つけられるものじゃないだろうし、それが合っているかどうかもわからないのですがね。でも、たぶんそういったものを探し続けることが人生の意味するところなのでしょう。