パリ協定とは?

パリ協定は、2015年にパリで開かれた、「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」で合意された、2020年以降の気候変動問題に関する、国際的な枠組みです。1997年に定められた「京都議定書」の後継となるものですね。55カ国以上が参加することと、世界の総排出量のうち55%以上をカバーする国が批准することを条件に発行されました。

パリ協定には、主要排出国を含む多くの国が参加しました。締結国だけで、世界の温室効果ガス排出量の約86%、159か国・地域をカバーするものとなっています(2017年8月時点)。また2016年11月に開催されたCOP22では、2018年までに協定の実施指針などを策定することが合意されました。

パリ協定では、次のような世界共通の長期目標を掲げています。

①世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑えるよう努力する
②出来る限り早く世界の温室効果ガスの排出量をピークアウトし、今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成する。

パリ協定が画期的なのは、途上国を含む全ての参加国に、排出削減の努力を求める枠組みであるということです。京都議定書では、排出量削減の法的義務は先進国にのみ課せられていました。またパリ協定ではボトムアップのアプローチが採用されました。これにより、各国の削減・抑制目標は、各国の国情を織り込み、自主的に策定することが認められています。

日本も批准手続きを経て、パリ協定の締結国となりました。中期目標としては、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から26%削減することが掲げられています。

気候変動による被害が確実に広がっている今、日本だけでなく世界の国々が協力していくことが大事ですね。

ただ2017年にアメリカのトランプ大統領がパリ協定からアメリカが離脱することを発表しました。2020年11月には脱退が可能になってしまいます。温室効果ガス排出量シェアの第2位であるアメリカが脱退してしまうことは、協定自体が骨抜きになりかねませんので、どうにかアメリカの残留を願いつつも、各国が協力し合うことで、経済と両立しながらの低排出型社会を目指していきたいですね。