闇営業問題 まだいる宮迫さん叩きに必死になる人

社長の会見がグダグダに終わり、吉本問題もついに吉本の組織の問題になっていき、経営陣VS芸人の構図がハッキリと現れ出ています。
ただ個人的に、ちょっとわからないのは、闇営業問題が吉本叩きにすり替わったといい、未だに宮迫さんを叩き続けている人が一定数いるということです。

あの、大半の人は宮迫さんにまったく責任はないとは思っていないと思うし、そもそも手のひら返したというのともちょっと違うと思います。
どっちかっていうと、宮迫さんと田村さんが会見をする前には、宮迫叩きが最高潮に達しており、少しでも擁護しようならその人までも叩くという風潮が顕著だったので、いくらなんでも叩き過ぎだと思っていた大半の人が黙っていただけしょう。それが、会見後に、言えるような空気になっただけです。

だいたい忘年会自体が彼らが捕まる一年の前の話で、そいつらが反社かどうかなんてわかるわけがないじゃないですか。
確かに、嘘はついたことは悪いです。それについては、一定の謹慎はするべきだと思うし、わたしを含め多くの人がそう思っています。
ただズルく感じたからとか、信じられないなどで、目の前からまったくいなくなるまで果てしなく叩き続けるのもどうかと思います。

それに、吉本叩きに話がすり替わったわけではありませんよ。そもそもが正規の芸人としての賃金が安いがゆえに、闇営業が黙認されていたり、反社とのかかわりが曖昧であったりと、吉本の組織の構造の問題がああいう形で噴出しただけの話で、話は最初から吉本の問題であることに変わりないんですよ。
確かにパワハラ問題がクローズアップしてしまい、そこにほかの芸人たちの不満が乗っかっていることは否めません。
ただ宮迫さんと田村さんの会見で、一番核心に触れたのは、あくまで吉本そのものが間接的にせよ(吉本の主張によれば)、反社勢力のフロント企業からサポートを受けていたという点です。
個人的には、ここについても、吉本に同情の余地はあると思っています。反社組織は自分たちの姿を隠すのに巧妙になっているので、その時点ではわかれというのは難しいと思います。
問題は、わかった上で適切な対処を出来たかどうかです。
宮迫さんは、それが出来ずに嘘をついたから社会的な罰を受けました。
一方で、吉本は、この問題で当然気が付いたはずなのに、そこをなかったことにして、芸人だけを処罰しました。しかも、宮迫さんと田村さんが会見をしなければ、隠し通すつもりまんまんで。
問題はここです。ここをしっかりと説明し、謝罪せずに、誤魔化そうとしているのがおかしいんです。
問題がすり替わったわけではありません。問題が深化したんです。

反社勢力とどう距離を置くかというのは本当に難しいんです。なので、本来ならば、どう対処すればいいのかを社会全体で考えなければならず、そのモデルケースとしてこの問題がある訳なんです。
吉本は興業会社であるだけに、過去を振り返れば、反社勢力との関係が切っても切れません。今後は芸人のあり方も問われてきます。だからこそ、反社との関わりを考える上でのガイドラインをこうした問題を踏まえて社会でちゃんと考えなくてはいけないんです。吉本だったら、それじゃ若手が闇営業に行かなくてすむようにするには、どうすればいいのかを考えたりとかね。

もちろん宮迫さんに落ち度はありました。謹慎は受けるべきです。でも、宮迫さん個人のことに執着することの方が、本当の問題をぼかしてしまうと思うんですよね。

最初に、宮迫さんが反社と関わりがあるという報道で、多くの人が宮迫さんを叩き始めました。結局知らなかったという話になると、宮迫さんを叩いていた人は、嘘をついたということだけでひたすら叩き続けました。
おそらく一度振り上げた拳をおろせず、また感情的な言葉で叩いた自分自身を正当化したいという気持ちがそうさせているのでしょう。
こうした自己正当化による個人攻撃による積み重ねこそが、群集心理となり、意図せずともときに社会をおかしな方向に向かわせます。

外に目を向けると、隣国との間でも緊張が高まっています。
こういうときだからこそ、冷静に考え、感情的な言葉のつみ重なりが悲劇を生むということを本当に理解してほしいです。