世の中を悪くしている人たち

この間、NHKスペシャルで、戦争に向かう最中で、日本新聞という新聞を立ち上げた人々がいかに右翼思想を広めていったのかというのをやっていました。
それを見て、改めて感じたのは、やはり世の中にとって、一番危険なのは、自分たちの主張が正義であることを前提に、他者の言葉を抹殺していく人たちなのだと強く思いました。
実際に、彼らは大正デモクラシーに嫌悪感と危機感を抱き、民族主義的主張を繰り返し、自分たちとは意見を異にする人物を攻撃して、どんどんと軍国主義的な風潮を作り上げていきました。

問題なのは、こうしたことが昔の話ではなく、むしろ普遍的な話であり、今、すでに世界中で起こっているということです。
お隣の国の文在寅大統領はその典型です。
慰安婦合意の再調査を急進的な運動家に託し、最高裁判所の判事を極左思想の裁判官に託している時点で、恣意的な結果を導き出し、南北統一という自らの正義を達成するためには、何をしてもいいし、何を敵に回してもいいといった具合です。
ナショナリズムを煽られた国民は、どこかおかしいなとは思っていても、いつの間にか同調していき、彼らがいいように国の方向を位置づけらえていきます。
韓国だけの話ではありません。左右の差こそあれ、世界を席巻している右派の動きはほとんどそうした感じですし、巧みに印象操作をして、自分たちの望む世界に人々を煽っているのです。
日本に話を向けても、またしかりです。安倍首相がどうにかして憲法9条を変えたがっているのはわかりやすいですね。憲法改正に議論するのはいいのですが、結論ありきで話をするのは間違いなんです。

世界をおかしな方向に向かわせるのは、こうした自分の正義を前提に、社会を自分色に変えようとしている人たちです。
N国党の立花代表などもその典型ですね。
NHK改革の議論を促すのはいいんです。でも、そのために何をしてもいいというわけではありません。国会をワンイシューのために利用することもおかしいですし、ましてや国会議員の立場で、自分に意見に反対する芸能人などを恫喝するなどというのは論外です。明かに、自分に反対すると、面倒なことになるぞ、というパフォーマンスをして、反対意見を言わせないように差し向けているわけですからね。
こうした人に、何かをやってくれる、何かを変えてくれると期待するのは、恐ろしいことです。そもそも、社会そのものをよくするというよりは、自分自身の正義に自己満足をしている人、そうやって他人を支配することで留飲を下げている人たちなのですからね。

そういう人は、結構、周りにもいるはずです。
強い言葉や印象操作に騙されてはいけません。感情がかき乱されたら、出来るだけたくさんのほかの意見に耳を傾けてください。
そうじゃないと、極端な話ではなく、太平洋戦争に向かった時のように、だんだんと発言をするという自由が奪われていくのですからね。