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日本学術会議が「同意のない性交を犯罪にするべき」と提言をしました。
当り前の話です。
むしろ今までなぜ提言をしてこなかったのかという話です。
そして、この記事を読んでヤフーのコメント欄を見てとてもガッカリしたのは、おそらくは大半の男性と思われる人たちのコメントが揃いもそろって的外れなこと。
正直、同じ男としてそんなこともわからないのか、それともやましいことがあるからこそ、必死に冤罪を心配しているのか、何にせよ、ハッキリ言ってあまりの話のすり替えぶりに頭に来るのを通り過ぎて、呆れました。
大半の男性と思われる人たちのコメントとして、
「どうやって同意を証明するのか」
「同意の証明書を作らなくちゃいけないのか」
「痴漢のように冤罪が増えるのではないか」
「少子化が進むのではないか」
とどれも判を押したように似たようなコメントが羅列され、自分たちのことばかりを心配していますが、話の中身をちゃんと理解しているのかといいたいです。
今回日本学術会議が提言しているのは、現状刑法で問題になっている「暴行脅迫要件」をなくすべきだということです。
暴行脅迫要件とは、ようするに現状の刑法では、レイプで犯人が捕まったとしても、暴行を受けた痕跡や脅迫を受けたという録音テープ、つまりが「暴行脅迫要件」がない限りは起訴することが出来ないのです。
つまり、暴行脅迫の目に見える明らかな証拠がなければ、レイプ犯が「同意がありました」と言えば、ほとんどの場合無罪になってしまうんですよ。
たまに強制性交のニュースがあっても、やたらと不起訴処分になるのはこのためです。
ようするに現状だと、被害に遭った被害者が立証責任を負わされるわけです。
世の男性の人たち、まず自分が女性の立場だったら想像してください。
その状態が正常ですか?
そうやってレイプをされても泣き寝入りになっている人たちがたくさんいるんですよ。
この百年前に作られたカビの生えた法律を変えようと提言することに何が問題があるのでしょう。
こういう話で男性たちがいつも言うのが「冤罪が起きたらどうするんだ?」という言葉。
あの、たとえば、殺人事件で、冤罪が起きるかもしれないから、殺人を罪にするのは止めましょう、とは言いませんよね。
犯罪に対して罪を設定することと、冤罪の対策は別の問題です。
冤罪が怖いから、罪を野放しにするというのは本末転倒もいいところです。
そんなに冤罪が怖いのなら、欧米諸国がこの手の話でどうやっているのを調べればいいんですよ。
「暴行脅迫要件」がある国なんて、先進国では日本だけです。
ほかの先進国の人々が「冤罪の可能性があるから、日本の暴行脅迫要件を真似するべきだ」と言うとでも思っているのですか?
こんな法律が未だに存在していること自体が日本の「後進性」を証明していることに気が付かないんですか?
確かに提言では不同意性交罪を作るべきだとまで踏み込んで言っています。
これは、立証責任を加害者に負わせるという話です。
だからといって、別に同意書を書けとかそういう話であるわけないではないしょう。
この話の流れで、同意書云々というのは子ども染みているとしか言いようがありません。
ようするに、あなたたちの普段のコミュニケーションの在り方が問われているだけなんですよ。
女性とだけじゃなく、普段から人とちゃんとコミュニケーションをとっていれば、そんなに簡単に罪に問われることなんてないんですよ。
一体何を恐れているんですか?
世の男性の人たち、自分たちの冤罪ばかりを心配する前に、まずはちゃんと日本において性犯罪がどのように法律で扱われているのかを勉強してください。
「暴行脅迫要件」のことも知らないで、こういうときだけ急に被害者面するのはおかしいです。
こと性犯罪に関しては、女性とフェミニストが騒いでいるだけと決め込む人が多いですが、ほとんどの場合は、被害者が女性で、加害者が男性なんですよ。
男性こそがちゃんと考えなくちゃいけない問題なんじゃないですか?
それとも自分たちの都合が悪いから女性を黙らせようと思っているんのですか?
馬鹿の一つ覚えみたいに「冤罪」という呪文を唱えれば、誰もが黙るとでも思っているのですか?
世の男性の人たち、同意書云々を言う前に、まずはちゃんとしたコミュニケーションを学んでください。
あなたが普段からロクなコミュニケーションをしない人だから、そんなにも「冤罪」が怖いんじゃないですか?
コミュニケーションが苦手なことと、コミュニケーションをしないこと、コミュニケーションをしなくてもすむ状態に持っていきたいということは、全然違います。
大事なのは、伝えること。
相手の話を聞くこと。
都合のいい時に、都合のいいように解釈をするだけなのは、コミュニケーションとは呼びません。
これまではこの「暴行脅迫要件」については、被害者などが精一杯声を上げるのがやっとでした。議論にすらなってなかったんです。
それが法律家の専門家たちが政府に提言をしようというのです。
ずっと頑張って声を上げてきた被害者にとってはとても意味があることですし、未来の被害者を減らすキッカケになるかもしれない提言なのです。
最近の成り行きから、学術会議なんて左翼が騒いでいるだけと上から目線で語るコメントもたくさんあります。
でも正直、右とか左とかどうでもいいんですよ。
大事なのは、この国の誰もが豊かで安全で幸せな社会をつくること。
いいことを言っているのなら、右とか左とか、与党とか野党とか関係ないんです。
自分だけがよければいい。
弱い奴は我慢すればいい。
弱い奴は強い奴の言いなりになっていればいい。
そうやって、そうやって人を抑えつけようとすれば、自分の周りの一体世界がどうなってしまうのかを想像して下さい。